【2024年10月版】SiteGuard WP Pluginのバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年10月7日に執筆しています。

今回はSiteGuard WP Pluginのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめてみたいと思います。

SiteGuard WP Pluginは、日本のEGセキュアソリューションズ株式会社が開発・サポートを継続している、WordPress向けのセキュリティプラグインです。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは50万以上、総ダウンロード数450万回以上を計測しており、有名なプラグインの一つと言ってよいでしょう。
Web制作会社である当社も、WordPressを選択する際には、ほぼ必須レベルで使用させていただいております。

一方で、有名なプラグインであるがゆえに、クライアントより脆弱性について質問されることがあります。
有名であるということは狙われやすいということでもあるからです。

そこで、この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、SiteGuard WP Pluginの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、SiteGuard WP Plugin自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

SiteGuard WP Pluginとは

前述の通り、SiteGuard WP Pluginは、EGセキュアソリューションズ株式会社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向けセキュリティプラグインです。

主に以下のようなセキュリティ機能を提供し、WordPressサイトを様々な脅威から守ります。

SiteGuard WP Pluginの主な機能

管理ページアクセス制限 WordPressの管理ページ(wp-admin以下)へのアクセスを、ログイン済みのIPアドレスに限定するセキュリティ機能です。
IPアドレスレベルでの制限により、外部からの不正アクセスや攻撃を大幅に軽減でき、特にブルートフォースやリスト攻撃、パスワードスプレー攻撃、辞書攻撃に対して非常に強力な防御策となります。
ログインページ変更 ログインページのURL(/wp-login.php)を変更する機能です。
ブルートフォースやパスワードリスト攻撃などの攻撃は、攻撃ツールがログインページを特定して実行されるため、ログインページのURLを変更することで、攻撃ツールがターゲットとして見つける確率を大幅に減らすことができます。
画像認証 ログインページ、コメントページ、パスワード確認ページ、ユーザー登録ページに、「ひらがな」または「英数字」4桁による画像認証を追加する機能です。
最近の攻撃ツールの中には画像認証を突破できる可能性がありますが、一般的な攻撃ツールやボットによる自動攻撃に対しては、依然として効果的な防御策となります。
詳細エラーメッセージ無効化 ログインエラー時に具体的なエラーメッセージを返さず、統一されたエラーメッセージのみを表示する機能です。
エラーメッセージは攻撃者にパスワードの推測やアカウントの存在有無のヒントを与えるため、この情報を隠すことで攻撃の成功率を下げ、サイトのセキュリティを向上させます。
ログインロック ログイン失敗の回数や期間、ロック時間を設定できる機能です。
同じ接続元からの連続したログイン失敗を検知し、ログインを一時的にロックすることで、ブルートフォースアタックのような不正アクセスをブロックすることを期待できます。
ログインアラート ログイン時に、ログインしたユーザーにメールで通知を送信する機能です。
これにより、ユーザーは自分が行ったログインかどうかをすぐに確認でき、あるいは不正ログインが発生した場合には早急に気づく契機とすることができます。
フェールワンス ログイン時に、正しいIDやパスワードが入力されても、初回はログインを失敗させる機能です。
これにより、リスト攻撃などで正しい情報が入力されても、攻撃者は次の試行に進んでしまい、実際のログイン成功を回避できる可能性があります。
XMLRPC防御 ピンバック機能の無効化ないしXML-RPC全体を無効化する機能です。
XML-RPCが有効の場合、攻撃者はxmlrpc.phpを悪用してDDoS攻撃やブルートフォースアタックを実行する可能性があります。
XML-RPC全体を無効化することで、これらの攻撃からサイトを保護することができます。
ユーザー名漏洩防御 ?author=数字のアクセスやREST APIを通じてユーザー名が漏洩するのを防ぐ機能です。
ユーザー名が漏洩すると、残るのはパスワードの特定だけとなり、ログイン成功のリスクが大幅に高まります。
これを防ぐことは、ブルートフォースアタックを含む不正アクセス防止のため、重要なセキュリティ対策となります。
更新通知 WordPress、プラグイン、テーマに更新がある場合、メールで通知を送信する機能です。
WordPressに関連する脆弱性の約90%はプラグインに、6%はテーマに、残りの4%はWordPressコアやその他の要素に起因していると言われています。これらの更新を確実に行うことで、脆弱性のリスクを減らし、サイトの安全性を保つことができます。

開発・アップデートの継続

前述のように、有名なプラグイン(ダウンロード数が多いプラグイン)は、攻撃のターゲットとして狙われやすいという側面があります。

当社では、WordPress自体は非常に堅牢なCMSであり、バージョンアップをしっかりと行えば大きな侵入のリスクは少ないと考えています。
実際に、WordPress本体(コア)の脆弱性の数はプラグインやテーマに比べて少なく、特に最近では大規模な緊急脆弱性の報告は減少しています。
※詳細は、当社が公表しているWordPressの脆弱性情報一覧を参照してください。

一方で、膨大な数のプラグインやアドオンが存在し、それらの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。
特に有名なプラグインは、多くのユーザーに利用されているため、脆弱性が発見された場合、そのプラグインを狙った攻撃が集中する可能性があります。

そのため、SiteGuard WP Pluginのように定期的にアップデートされ、脆弱性が迅速に修正されることは、セキュリティ対策の観点から非常に重要です。
当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントに推奨していません。

SiteGuard WP Pluginのバージョン情報に関するポイント

公式サイトに直接的な記載はありませんでしたが、SiteGuard WP Pluginには、一般的なセマンティックバージョニングが採用されているようです。
3つの数字の左から「メジャーバージョン.マイナーバージョン.パッチバージョン」となります。

2024年10月7日現在、SiteGuard WP Pluginの最新バージョンは1.7.8であり、WordPress6.6.2までテストされています。

公式には明言されていませんが、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、1.7.6以下のバージョンには既知の脆弱性がありますので、1.7.8へのアップデートをお勧めします。

SiteGuard WP Pluginのバージョン情報

2024年10月7日現在での、SiteGuard WP Pluginのバージョン情報は次の通りです。

SiteGuard WP Pluginのバージョン リリース日 サポート期限 修正された脆弱性
1.7.8 2024年8月21日 サポート中
1.7.7 2024年5月29日 2024年8月21日 CVE-2024-37881
1.7.6 2023年10月6日 2024年5月29日
1.7.5 2023年4月10日 2023年10月6日
1.7.4 2023年3月28日 2023年4月10日
1.7.3 2022年11月14日 2023年3月28日
1.7.2 2022年10月18日 2022年11月14日
1.7.1 2022年10月4日 2022年10月18日
1.7.0 2022年10月3日 2022年10月4日
1.6.1 2022年3月23日 2022年10月3日
1.6.0 2021年5月12日 2022年3月23日
1.5.2 2020年8月13日 2021年5月12日
1.5.1 2020年8月11日 2020年8月13日
1.5.0 2019年11月12日 2020年8月11日
1.4.3 2018年12月7日 2019年11月12日

※上記の内容は、WordPressのSiteGuard WP Plugin Developer Logの情報を正として、バージョン1.4.3までを掲載しています。
※バージョン1.7.6以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。

SiteGuard WP Pluginの脆弱性情報

SiteGuard WP Pluginに最新バージョンは1.7.8であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。

また、SiteGuard WP Plugin 1.7.6以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在しますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。

なお、SiteGuard WP Plugin自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。

脆弱性情報 深刻度 影響を受けるバージョン 修正されたバージョン
CVE-2024-37881
JVNDB-2024-000064
CVSS v3
5.3 (警告)
・SiteGuard WP Plugin 1.7.6までのバージョン ・SiteGuard WP Plugin 1.7.7

※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)ないし米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。

SiteGuard WP Pluginのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、SiteGuard WP Pluginは名の知られたプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、ほぼ必須レベルでお世話になるプラグインです。

しかしながら、SiteGuard WP Plugin自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面されているかもしれません。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、SiteGuard WP PluginとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

SiteGuard WP Pluginでのセキュリティ対策の実装やアップデートを含む保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。