【2024年11月版】WP-PageNaviのバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年11月14日に執筆しています。

今回はWP-PageNaviのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめてみたいと思います。

WP-PageNaviは、WordPressサイトにおいて、ページナビゲーションを強化するプラグインであり、Lester ‘GaMerZ’ Chanによって開発・サポートされています。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは60万以上、総ダウンロード数1237万回以上を計測しており、人気のあるプラグインの一つと言ってよいでしょう。

一方で、人気のあるプラグインであるため、攻撃対象になりやすい側面もあります。

そこで、この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、WP-PageNaviの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、WP-PageNaviを安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

WP-PageNaviとは

前述の通り、WP-PageNaviは、Lester ‘GaMerZ’ Chanによって開発・サポートが継続されている、オープンソースのWordPress向けプラグインです。

このプラグインを使用すると、デフォルトの「前へ」「次へ」リンクをカスタマイズ可能なページ番号付きナビゲーションに変更することができ、訪問者がサイト内のコンテンツを簡単に移動できるようになります。

実際のところ、当社のようなWeb制作会社の場合、WP-PageNaviを利用することはあまりありません。

ページネーション機能は自社でコーディングすることが可能ですし、そもそもテーマに組み込まれているケースも多くなってきました。

また、WP-PageNaviの更新が滞っているため、最新のWordPressバージョンとの互換性の点で懸念が生じています。

セキュリティ保守の観点からは、できるだけプラグインの数を増やしたくないという理由もあります。

しかしながら、当社がこれまでに保守を引き受けたWordPressサイトには、WP-PageNaviが使用されていたことはあります。

日本国内では多く使用されているプラグインの一つという印象です。

WP-PageNaviの機能

ページ番号ナビゲーション 通常の「前へ」「次へ」のシンプルなナビゲーションリンクを、ページ番号付きのナビゲーションに置き換えます。
ユーザーは特定のページに直接ジャンプできるため、記事数が多いサイトでユーザー体験が向上します。
カスタマイズオプション ナビゲーションの外観や動作を細かく設定できます。
例えば、「最初へ」「最後へ」のリンクを追加したり、現在のページ番号を強調表示するなどのデザイン変更が可能です。

開発・アップデートの継続

前述のように、有名なプラグイン(ダウンロード数が多いプラグイン)は、攻撃のターゲットとして狙われやすいという側面があります。

当社では、WordPress自体は非常に堅牢なCMSであり、バージョンアップをしっかりと行えば大きな侵入のリスクは少ないと考えています。
実際に、WordPress本体(コア)の脆弱性の数はプラグインやテーマに比べて少なく、特に最近では緊急レベルの脆弱性報告は減少しています。
※詳細は、当社が公表しているWordPressの脆弱性情報一覧を参照してください。

一方で、膨大な数のプラグインやアドオンが存在し、それらの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。
※「20 WordPress Statistics You Should Know in 2023」によれば、WordPressに関連する脆弱性の約90%はプラグインに、6%はテーマに、残りの4%はWordPressコアに起因しているとのことです。

特に、WP-PageNaviのようなダウンロード数の多いプラグインは、多くのユーザーに利用されているため狙われやすい傾向にあります。
そのため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントに推奨していません。

WP-PageNaviは定期的にアップデートがされているとは言い難い状況(最終のアップデートが2023年8月9日)ですが、2024年11月14日現在脆弱性が見つかっていないため、使用は問題ないと考えております。

WP-PageNaviのバージョン情報に関するポイント

公式サイトに直接的な記載は見つけることができませんでしたが、WP-PageNaviでは、一般的なセマンティックバージョニングが採用されているようです。
3つの数字の左から「メジャーバージョン.マイナーバージョン.パッチバージョン」となります。

なお、古いバージョンでは4桁目の数字がありますが、特定の修正や微細な更新を示すために4桁目を追加したものと考えられます。

2024年11月14日現在、WP-PageNaviの最新バージョンは2.94.1であり、WordPress 6.3.5までテストされています。

通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであることから、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。

WP-PageNaviのバージョン情報

2024年11月14日現在での、WP-PageNaviのバージョン情報は次の通りです。

バージョン リリース日 サポート期限 修正された脆弱性
2.94.1 2023年8月9日 サポート中
2.94.0 2023年4月27日 2024年8月9日
2.93.4 2021年2月22日 2023年4月27日
2.93.3 2020年3月29日 2021年2月22日

※上記の内容は、WordPress公式サイト開発ログの情報を正として、バージョン2.93.3までを掲載しています。

WP-PageNaviの脆弱性情報

WP-PageNaviの最新バージョンは2.94.1であり、当社が把握している限り脆弱性情報はありません。

WP-PageNaviのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、WP-PageNaviは人気のあるプラグインであり、日本国内でも利用者は多数いるものと推察されます。

しかしながら、WP-PageNavi自体のバージョンアップをしようと思っても、最新のWordPressで上手く動かなかったり、PHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、WP-PageNaviとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについても知見を有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

WP-PageNaviを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。