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皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年12月16日に執筆しています。
今回はContact Form 7 Multi-Step Formsのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめてみたいと思います。
Contact Form 7 Multi-Step Formsは、WordPressでユーザープロフィールの管理やログイン、登録フォームのカスタマイズを行うためのプラグインであり、Webhead社によって開発・サポートされています。
WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは4万以上、総ダウンロード数65万回以上と、一つのプラグインに足すアドオン(拡張機能)としては人気と言ってよいでしょう。
特に、2023年8月にContact Form 7 add confirmが正式に終了したころから、代替アドオンとして脚光を浴びているアドオンです。
一方で、人気のあるアドオンであるため、攻撃対象になりやすい側面もあります。
そこで、この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Contact Form 7 Multi-Step Formsの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Contact Form 7 Multi-Step Formsを安心して使用していただけるようにしたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
前述の通り、Webhead社によって開発・サポートが継続されている、オープンソースのWordPress向けプラグイン「Contact Form 7」のアドオンです。
「Contact Form 7」は、WordPressサイトにおいて最も広く利用されているお問い合わせフォームプラグインとして知られています。
その拡張機能であるContact Form 7 Multi-Step Formsは、長文または複数項目にわたる問い合わせフォームをステップ形式にし、ユーザーエクスペリエンスの向上を図るアドオンです。
当社においても、Contact Form 7 add confirmが利用されているWordPressサイトのバージョンアップ依頼を受けた場合に、Contact Form 7 Multi-Step Formsを代替アドオンとしてお勧めしています。
日本国内でも多く使用されているContact Form 7のアドオンの一つという印象です。
ステップ分割 |
長いフォームを複数のステップに分割し、一度に提示する情報量を減らすことができます。 これによりユーザーが一度に処理する情報量を減らすことで負担を軽減でき、入力途中での離脱を防ぎつつ、各ステップごとにスムーズな入力を促すことができます。 |
柔軟なカスタマイズ性 |
CSSや追加スクリプト、ショートコードの設定を通じ、外観や挙動を多様な要件に合わせて最適化することができます。 ブランドカラーに沿ったデザイン変更や、特定ステップでの条件分岐などを行うことで、独自のユーザーフローを実現可能です。 |
前述のように、人気のあるアドオンは、攻撃のターゲットとして狙われやすいという側面があります。
特に、Contact Form 7 Multi-Step Formsのようなダウンロード数の多いアドオンは、多くのユーザーに利用されているため狙われやすい傾向にあります。
そのため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないアドオンは、クライアントに推奨していません。
Contact Form 7 Multi-Step Formsは定期的にアップデートがされており、2024年12月16日現在、未修正の脆弱性は見つかっていないため、使用は問題ないと考えております。
公式サイトに直接的な記載は見つけることができませんでしたが、Contact Form 7 Multi-Step Formsでは、一般的なセマンティックバージョニングに近い形式で更新が行われているようです。
3つの数字の左から「メジャーバージョン.マイナーバージョン.パッチバージョン」となります。
2024年12月16日現在、Contact Form 7 Multi-Step Formsの最新バージョンは4.4.1であり、WordPress 6.7.1までテストされています。
通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであることから、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。
2024年12月16日現在での、Contact Form 7 Multi-Step Formsのバージョン情報は次の通りです。
バージョン | リリース日 | サポート期限 | 修正された脆弱性 |
4.4.1 | 2024年11月10日 | サポート中 | - |
4.4 | 2024年5月6日 | 2024年11月10日 | - |
4.3.1 | 2023年7月10日 | 2024年5月6日 | - |
4.3 | 2023年6月22日 | 2023年7月10日 | - |
4.2.1 | 2023年4月26日 | 2023年6月22日 | - |
4.2 | 2023年1月26日 | 2023年4月26日 | - |
4.1.92 | 2022年5月12日 | 2023年1月26日 | - |
4.1.91 | 2022年3月5日 | 2022年5月12日 | Wordfence |
4.1.9 | 2021年12月12日 | 2022年3月5日 | - |
3.0.9 | 2019年2月25日 | 2019年4月9日 | Wordfence |
※上記の内容は、WordPress公式サイト開発ログの情報を正として、バージョン4.1.9までを掲載しています。
※バージョン4.1.9未満については、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※既知の脆弱性が存在バージョンはグレーにしています。
Contact Form 7 Multi-Step Formsの最新バージョンは4.4.1であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。
また、Contact Form 7 Multi-Step Forms 4.1.9以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在している可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。
なお、Contact Form 7 Multi-Step Forms自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。
脆弱性情報 | 深刻度 | 影響を受けるバージョン | 修正されたバージョン |
Wordfence |
CVSS v3 6.3 (警告) |
Contact Form 7 Multi-Step Forms 4.1.9までのバージョン | Contact Form 7 Multi-Step Forms 4.1.91 |
Wordfence |
CVSS v3 8.8 (重要) |
Contact Form 7 Multi-Step Forms 3.0.8までのバージョン | Contact Form 7 Multi-Step Forms 3.0.9 |
※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVEにて採番されていない脆弱性情報については、Wordfenceへのリンクを掲載しています(※1の脆弱性にはCVE-2022-4974が採番されていますが、NVDのページにはContact Form 7 Multi-Step Formsへの言及がないため、Wordfenceへのリンクを掲載しています)。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)や独立行政法人情報処理推進機構(以下「IPA」)に準拠しています。NDV、IPAでスコアリングがされていない場合には、Wordfenceのスコアを記載しています。
※1及び※2は、Freemius SDKに基づく脆弱性ですが、Contact Form 7 Multi-Step Formsに影響するものです。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVD、Wordfenceなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。
前述のように、Contact Form 7 Multi-Step Formsは人気のあるアドオンであり、日本国内でも利用者は多数いるものと推察されます。
しかしながら、Contact Form 7 Multi-Step Forms自体のバージョンアップをしようと思っても、最新のWordPressで上手く動かなかったり、PHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、Contact Form 7 Multi-Step FormsとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについても知見を有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
Contact Form 7 Multi-Step Formsを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。
2024年12月16日執筆