【2026年7月版】MySQLのバージョンとAmazon Linux、RHEL系OSによるバックポートについて

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

この記事は、MySQL Serverのバージョンと、Amazon Linux、RHEL系OSによるOSによるバックポート対応についてまとめたもので、2026年7月31日に改訂しています。

MySQL Serverはオラクル社がサポートをしているオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。
データをテーブル(行と列で構成される表)に整理して格納し、データについて更にテーブルを複数関連付けることで、単純なものから複雑なものまで対応できるデータベースで、標準問い合わせ言語として SQL(Structured Query Language、構造化照会言語) を用いたアクセスを行うことで、各種データを効率的に管理することができます。
MySQLのバージョン情報とサポート期限についてはこちらをご覧ください。

2026年7月31日現在、MySQL Server LTSリリースの最新バージョンは9.7系統であり、MySQL公式がセキュリティサポートをしているLTSリリースは、9.7系統、8.4系統の2系統のみです。
※MySQL8.0については、2026年4月に延長サポートまで終了しました(サステイニングサポートに移行しています)。

もっとも、最新バージョンではないMySQLを使用していても、直ちに危険な状態になるとは限りません。OSによっては、古くなったMySQL Serverのバージョンに対しても、緊急、重大な脆弱性に対してバックポートと呼ばれる方式で修正を適用するケースがあるためです。

そこで、この記事では、企業のWeb担当者の皆さまに向けて、Web系でよく使用されるAmazon Linux、RHEL系のOSごとのバックポート対応方針とともにご紹介することで、できるだけ安心してMySQL Serverを使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

バックポートとは

バックポートとは、新しいソフトウェアのバージョンや開発ブランチで作成された脆弱性修正やバグ修正を取り出し、旧バージョン系列へ移植(backport)して適用する手法を指します。

MySQL公式側で延長サポートが終了したPHPバージョンであっても、OSベンダーが提供するMySQL Serverパッケージについては、ベンダー独自のライフサイクル内でセキュリティ修正が継続される場合があります。

これは、MySQL公式による延長サポートが再度延長されるという意味ではありません。MySQL公式では事実上のEOLとなったバージョンについて、OSベンダーが自社で提供するMySQL Serverパッケージを、バックポートなどにより独自に保守している状態です。

ただし、どの脆弱性を修正対象とするか、どの重要度まで対応するかは、OSベンダーや製品、サポートフェーズによって異なります。すべての脆弱性に対して必ず修正が提供されるわけではありません。

また、どのMySQL Serverバージョンに、どの範囲まで適用するかはOSごとに方針が異なるため、事実上のEOL後のMySQL Serverのバージョンに公式サポートと同等の脆弱性対策が継続されることを意味しているわけではありません。

したがって、MySQL公式のMySQL Serverのバージョンが事実上のEOLであっても、OSベンダーのMySQL Serverパッケージがサポート期間内にあり、最新のセキュリティ更新が適用され、対象となる脆弱性についてベンダーが修正済みまたは影響なしと判断している場合には、当該脆弱性の影響があると判断するべきではないケースがあります。

Amazon Linux 2023におけるMySQL Serverに関するバックポート対応

Amazon Linux 2023 においては、標準リポジトリに本家の Oracle MySQLは含まれておらず、基本的に利用が想定されていません(外部リポジトリを追加すれば導入することは可能です)。

AWS としては、データベースサーバーの運用については EC2 上で自前運用するのではなく、Amazon RDS の利用を推奨しています。

そのため、Amazon Linux 2023自体にはMySQL Serverに対するバックポートは提供されません。

Amazon RDS for MySQL におけるパッチ適用対応(バックポート含む)

一方で、Amazon RDS for MySQL(AWSが管理するマネージドDBとしてのMySQL)については、明確なパッチ適用方針が存在します。

まず、Amazon RDSのMySQLバイナリは、Oracleが提供するRPM/DEBパッケージではなく、MySQL OSSをベースとして AWSが独自ビルドしたものであることから、AWS独自のライフサイクルとパッチ適用ポリシーが存在します。

一般的には、OracleのMySQL公式よりも長い期間サポートされる傾向がありますが、AWSの判断により早期に廃止される場合があるなど、RDSは独自のライフサイクル管理を行っています。

また、AWS が必要と判断したセキュリティ修正を、MySQL公式のアップストリームからバックポートして、Amazon RDS for MySQLに適用するため、次のような特徴を有します。
・MySQL公式でEOLとなっており、パッチが出なくてもAWSが独自にパッチをバックポートすることがある
・上流のメジャー・マイナーバージョンは変わらなくても内部的にパッチが適用されていることがある(固有のエンジンバージョンが付けられます)
・アップストリームのすべての新機能を取り込むわけではなく、主にセキュリティ修正と安定性に関わるバグ修正のみが選択的に適用されている

RDS for MySQLの対応バージョンやサポート期間、マイナーアップデート、パッチ適用状況については、公式ドキュメントの 「MySQL on Amazon RDS versions」に集約されています。

RDS for MySQL 8.4

・RDS標準サポート終了:2029年7月31日
・RDS Extended Support Year 1料金開始:2029年8月1日
・RDS Extended Support Year 3料金開始:2031年8月1日
・RDS Extended Support終了:2032年7月31日

RDS for MySQL 8.0

・RDS標準サポート終了:2026年7月31日
・RDS Extended Support Year 1料金開始:2026年8月1日
・RDS Extended Support Year 3料金開始:2028年8月1日
・RDS Extended Support終了:2029年7月31日

RDS for MySQL 5.7

・RDS標準サポート終了:2024年2月29日
・RDS Extended Support Year 1料金開始:2024年3月1日
・RDS Extended Support Year 3料金開始:2026年3月1日
・RDS Extended Support終了:2029年6月10日

※Extended Supportは追加料金が発生し、最長3年間、Critical・HighのCVEと重大な不具合の修正が提供されます。
※RDS for MySQL 5.7については、もともとのExtended Support終了日は2027年2月28日でしたが、AWSは2026年6月17日に期限を延長し、現在は2029年6月30日までとなっています。
※「Amazon Aurora と RDS for MySQL における MySQL 5.7 の延長サポートを 2029年6月まで延長」参照

RHEL 10、AlmaLinux OS 10、Rocky Linux 10におけるMySQLに関するバックポート対応

RHEL(Red Hat Enterprise Linux)10及びその互換ディストリビューション(AlmaLinux OS 10、Rocky Linux 10)のMySQL Serverパッケージでは、基本的に、セキュリティ修正を上流の最新版へ更新するのではなく、既存パッケージへ修正を移植するバックポート方式を採用しています。
変更内容は、それぞれ、RHSA(Red Hat Security Advisory)、ALSA(AlmaLinux Security Advisory)、RLSA(Rocky Linux Security Advisory)で確認できます。

RHEL 10のApplication Streamsには、RHEL本体とは別に個別のRetirement Dateが設定されるApplication Streamと、基盤となるRHELメジャーバージョンのライフサイクルに沿って保守されるFull Life Application Streamがあります。
MySQL ServerはMySQL 8.4がApplication Stream として提供されています。

MySQL 8.4(RHEL 10 Application Stream)

・Retirement Date:2029年4月
・MySQL公式の延長サポート終了日(2032年4月30日)より短いことに注意が必要です。

RHEL 10 Application Streams Release Life Cycle参照

このように、RHEL Application Streams のサポート期間は、必ずしもMySQL公式のライフサイクルと一致するわけではありません。
そのため、RHEL 10のMySQL Serverパッケージを利用している場合には、MySQL公式のEOLに先立ってRHEL側のサポート終了が到来する可能性があり、適切な時期にメジャーバージョンアップを検討することが推奨されます。

なお、AlmaLinux OSとRocky LinuxはいずれもRHELとの互換性を重視するLinuxディストリビューションですが、パッケージのビルド、公開時期、バックポートの判断は各プロジェクトが管理しています。

AlmaLinux OSはRHELとのABI互換性を維持しながら、必要に応じて独自に修正を取り込む方針です。
一方、Rocky LinuxはRHELとのbug-for-bug互換を目標としていますが、ソースの取得やパッケージ公開はRocky Linuxプロジェクトによって行われます。

このため、RHELのアドバイザリだけで修正済みと判断せず、AlmaLinuxではALSA、Rocky LinuxではRLSA及び各ディストリビューションの実際のRPMパッケージを確認する必要があります。

RHEL 9、AlmaLinux OS 9、Rocky Linux 9におけるMySQL Serverに関するバックポート対応

RHEL(Red Hat Enterprise Linux)9及びその互換ディストリビューション(AlmaLinux OS 9、Rocky Linux 9)では、基本的に、セキュリティ修正を上流の最新版へ更新するのではなく、既存パッケージへ修正を移植するバックポート方式を採用しています。
変更内容は、それぞれ、RHSA(Red Hat Security Advisory)、ALSA(AlmaLinux Security Advisory)、RLSA(Rocky Linux Security Advisory)で確認できます。

RHEL 9のApplication Streamsには、RHEL本体とは別に個別のRetirement Dateが設定されるApplication Streamと、基盤となるRHELメジャーバージョンのライフサイクルに沿って保守されるFull Life Application Streamがあります。
MySQL ServerはMySQL 8.4がApplication Stream として提供されています(MySQL 8.0は2026年4月にリタイア済みです)。

MySQL 8.4(RHEL 9 Application Stream)

・Retirement Date:2029年4月
・Oracle MySQLの延長サポート終了日(2032年4月30日)より短いことに注意が必要です。

RHEL 9 Application Streams Release Life Cycle参照

MySQL 8.0(RHEL 9 Application Stream)

・Retirement Date:2026年4月
・MySQL 8.0 Application Streamは2026年4月にリタイアとなっており、継続運用する場合は、MySQL 8.4への移行を検討する必要があります。

このように、RHEL Application Streams のサポート期間は、必ずしもMySQL公式のライフサイクルと一致するわけではありません。
そのため、RHEL 9上でMySQL Serverを利用している場合には、MySQL公式のEOLに先立ってRHEL側のサポート終了が到来する可能性があり、適切な時期にメジャーバージョンアップを検討することが推奨されます。

なお、AlmaLinux OS 9およびRocky Linux 9については、いずれもRHELとの互換性を重視するLinuxディストリビューションですが、パッケージのビルド、公開時期、バックポートの判断は各プロジェクトが管理していることから、RHELのアドバイザリだけで修正済みと判断せず、AlmaLinuxではALSA、Rocky LinuxではRLSA及び各ディストリビューションの実際のRPMパッケージを確認する必要があります。

RHEL 8、AlmaLinux OS 8、Rocky Linux 8におけるMySQLに関するバックポート対応

RHEL(Red Hat Enterprise Linux)8及びその互換ディストリビューション(AlmaLinux OS 8、Rocky Linux 8)でも、基本的に、セキュリティ修正を上流の最新版へ更新するのではなく、既存パッケージへ修正を移植するバックポート方式を採用しています。
変更内容は、それぞれ、RHSA(Red Hat Security Advisory)、ALSA(AlmaLinux Security Advisory)、RLSA(Rocky Linux Security Advisory)で確認できます。

RHEL 9のApplication Streamsには、RHEL本体とは別に個別のRetirement Dateが設定されるApplication Streamと、基盤となるRHELメジャーバージョンのライフサイクルに沿って保守されるFull Life Application Streamがあります。
MySQL ServerはMySQL 8.4がFull Life Application Stream として提供されています(MySQL 8.0は2026年4月にリタイア済みです)。

MySQL 8.4(RHEL 8 Full Life Application Streams)

・Retirement Date:2029年5月頃
・RHEL 8では、MySQL 8.4パッケージをFull Life Application Streamとして提供しており、RHEL 8のライフサイクルに沿って、2029年5月頃まで保守される予定です(Red Hatは将来のサポート終了日について概算であり変更される可能性があるとしています)。

RHEL 8 Full Life Application Streams Release Life Cycle参照

MySQL 8.0(RHEL 8 Application Stream)

・Retirement Date:2026年4月
・MySQL 8.0 Application Streamは2026年4月にリタイアとなっており、継続運用する場合は、MySQL 8.4への移行を検討する必要があります。

RHEL 8 Application Streams Release Life Cycle参照

なお、AlmaLinux OS 8およびRocky Linux 8については、いずれもRHELとの互換性を重視するLinuxディストリビューションですが、パッケージのビルド、公開時期、バックポートの判断は各プロジェクトが管理していることから、RHELのアドバイザリだけで修正済みと判断せず、AlmaLinuxではALSA、Rocky LinuxではRLSA及び各ディストリビューションの実際のRPMパッケージを確認する必要があります。

MySQLのバージョンアップに強いWeb制作会社をお探しの場合にはご相談ください

MySQLのバージョンアップについては、Webアプリケーション側に不具合が発生する確率が高く、工数がかかることが予想されます。
この場合、不具合の原因を特定し、これを改修できる専門的な知識が必要です。

また、Web制作会社はいわゆるWebアプリケーション側(WebサイトやCMS等)を専門としていますので、MySQLを含めたミドルウェアについては対応されていない会社も多いと思います。

taneCREATIVE株式会社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されている企業であり、MySQLと各種OSについても知見を有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

他社様が制作・開発されたWebサイトのバージョンアップ・マイグレーションについても、ケースによってはお引き受けしておりますので、ミドルウェアを含めたWebサイトの保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

なお、当社は、セキュアなWebサイト制作及びWebサイトのセキュリティ保守管理に特化したWeb制作会社として、東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しておりますので、与信管理についてはIR情報をご確認ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。