【2025年6月版】Redirectionのバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

本記事はRedirectionのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年6月13日に執筆しています。

Redirectionは、WordPressで最も利用されているリダイレクト管理プラグインであり、John Godleyさんによって開発・サポートされています。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは200万以上、総ダウンロード数は6226万回以上を計測しており、世界的にも人気のあるプラグインの一つと言ってよいでしょう。

一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にRedirectionの脆弱性は過去見つかっており、迅速に対応されています。

この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Redirectionの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Redirection自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

Redirectionとは

前述の通り、Redirectionは、WordPressで最も利用されているリダイレクト管理プラグインであり、リダイレクトの作成・自動生成、条件分岐、正規表現対応、404ログ取得、.htaccess・Nginx書き出し、CSV・JSONインポート・エクスポート、WP-CLI連携などを簡単に行うことができることから、世界的にも人気のあるプラグインとなっています。

一方で、利用者の多いプラグインは、攻撃のターゲットにされる可能性があるため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントにお勧めしていません。

Redirectionについては、最新バージョンリリース以降脆弱性は見つかっていないこと、過去脆弱性が見つかった際には迅速に対応されていることから、2025年6月13日現在、セキュリティ面での問題はないと考えております。

Redirectionのバージョン情報に関するポイント

Redirectionは、通常のセマンティックバージョニングに近いバージョニングを採用しており、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています。

2025年6月13日現在、Redirectionの最新バージョンは5.5.2であり、WordPress 6.8.1までテストされています。

通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。

Redirectionのバージョン情報

2025年6月13日現在での、Redirectionのバージョン情報は次の通りです。

バージョン リリース サポート期限 修正された脆弱性
5.5.2 2025年2月16日 サポート中
5.5.1 2024年11月24日 2025年2月16日
5.5.0 2024年8月10日 2024年11月24日
3.6.3 2018年11月14日 2019年1月12日 Wordfence
3.6.2 2018年10月10日 2018年11月14日
2.8 2017年10月18日 2017年10月22日 CVE-2018-1000504
2.2.12 2012年5月4日 2012年5月6日 CVE-2012-6717
2.2.10 2011年10月4日 2012年4月29日 CVE-2011-4562
2.2.9 2011年8月10日 2011年10月4日 CVE-2011-5329

※各バージョンのリリース日については、WordPress公式サイトの開発ログの情報に基づいています。
※上記の内容は、バージョン5.5.0までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン3.6.2以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。

Redirectionの脆弱性情報

Redirectionの最新バージョンは5.5.2であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。

また、Redirection 3.6.2以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。

Redirection自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。

脆弱性情報 深刻度 影響を受けるバージョン 修正されたバージョン
Wordfence CVSS v3
8.8(重要)
・Redirection 3.6.2までのバージョン ・Redirection 3.6.3
CVE-2018-1000504
JVNDB-2018-007698
CVSS v3
7.2 (重要)
・Redirection 2.7.3までのバージョン ・Redirection 2.8
CVE-2012-6717
JVNDB-2019-008561
CVSS v3
6.1 (警告)
・Redirection 2.2.11までのバージョン ・Redirection 2.2.12
CVE-2011-5329
JVNDB-2019-008562
CVSS v3
6.1 (警告)
・Redirection 2.2.8までのバージョン ・Redirection 2.2.9
CVE-2011-4562
CVE-2011-4562 Detail
CVSS v2
4.3 (警告)
・Redirection 2.2.9までのバージョン ・Redirection 2.2.10

※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVE番号が採番されていない脆弱性情報については、Wordfenceの情報を掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。JVN、NVDにてスコアリングされていない脆弱性情報についてはWordFenceのスコアに準拠しています。
※こちらのWordfenceの修正バージョンについては、3.6.4と記載されていますが、開発ログを読む限り3.6.3であるようなので、こちらを正としています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。

Redirectionのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、Redirectionは世界的にも人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、お世話になる確率が高いプラグインです。

しかしながら、Redirection自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、RedirectionとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

Redirectionを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。