【2025年7月版】Duplicatorのバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

本記事はDuplicatorのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年7月15日に執筆しています。

Duplicatorは、WordPressサイトのバックアップとデータ移行プラグインであり、Awesome Motive社によって開発・サポートされています。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは100万以上、総ダウンロード数は4778万回以上を計測しており、世界的にも有名なプラグインの一つと言ってよいでしょう。

一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にDuplicatorの脆弱性は過去見つかっており、迅速に対応されています。

この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Duplicatorの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Duplicator自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

Duplicatorとは

前述の通り、Duplicatorは、Awesome Motive社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPressサイトのバックアップとデータ移行プラグインであり、WordPressサイトのファイルとデータベースを1パッケージに梱包・ダウンロードした後、ドラッグ&ドロップで簡単に復元することができます。

無料版でサイト全体のバックアップと高速移行がGUIだけで完結できることから、世界的にも人気があります。

一方で、利用者の多いプラグインは、攻撃のターゲットにされる可能性があるため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントにお勧めしていません。

Duplicatorについては、定期的にバージョンアップがされており、かつ最新バージョンでは脆弱性が確認されていないことから、2025年7月15日現在、セキュリティ面での問題はないと考えております。

Duplicatorのバージョン情報に関するポイント

Duplicatorは、通常のセマンティックバージョニングに近いバージョニングを採用しており、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています(頻繁に4桁目が存在しますが、小規模の修正であると考えられます)。

2025年7月15日現在、Duplicatorの最新バージョンは1.5.12であり、WordPress 6.8.1までテストされています。

通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。

Duplicatorのバージョン情報

2025年7月15日現在での、Duplicatorのバージョン情報は次の通りです。

バージョン リリース日 サポート期限 修正された脆弱性
1.5.12 2025年3月11日 サポート中
1.5.11.2 2024年11月12日 2025年3月11日
1.5.11.1 2024年10月9日 2024年11月12日
1.5.11 2024年9月24日 2024年10月9日
1.5.10.2 2024年8月6日 2024年9月24日
1.5.10.1 2024年7月18日 2024年8月6日
1.5.10 2024年6月27日 2024年7月18日 CVE-2024-6210
1.5.9 2024年4月18日 2024年6月27日
1.5.7.1 2023年11月16日 2024年1月10日 CVE-2023-51681
CVE-2023-6114
1.4.7.1 2022年8月3日 2022年8月15日 CVE-2022-2552
CVE-2022-2551
1.3.28 2020年2月12日 2020年4月20日 CVE-2020-11738
1.3.0 2018年12月17日 2018年12月30日 CVE-2018-25095
1.2.42 2018年8月24日 2018年9月14日 CVE-2018-17207
1.2.34 2018年3月1日 2018年4月24日 CVE-2018-7543
1.2.30 2017年11月13日 2018年1月10日 CVE-2017-16815
1.1.4 2016年2月9日 2016年3月27日 Wordfence
0.5.28 2015年8月18日 2015年9月7日 Wordfence
0.5.16 2015年4月9日 2015年5月1日 Wordfence
0.5.10 2014年12月26日 2015年1月12日 CVE-2014-9262
0.4.5 CVE-2013-4625

※各バージョンのリリース日については、公式サイトのChangelogの情報に基づいています。
※上記の内容は、バージョン1.5.9までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン1.5.9以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。

Duplicatorの脆弱性情報

Duplicatorの最新バージョンは1.5.12であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。

また、Duplicator 1.5.9以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへのアップデートをお勧めします。

Duplicator自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。

脆弱性情報 深刻度 影響を受けるバージョン 修正されたバージョン
CVE-2024-6210
CVE-2024-6210 Detail
CVSS v3
5.3 (警告)
・Duplicator 1.5.9までのバージョン ・Duplicator 1.5.10
CVE-2023-51681
CVE-2023-51681 Detail
CVSS v3
4.3 (警告)
・Duplicator 1.5.7までのバージョン ・Duplicator 1.5.7.1
CVE-2023-6114
JVNDB-2023-024781
CVSS v3
7.5 (重要)
・Duplicator 1.5.7までのバージョン ・Duplicator 1.5.7.1
CVE-2022-2552
CVE-2022-2552 Detail
CVSS v3
5.3 (警告)
・Duplicator 1.4.7までのバージョン ・Duplicator 1.4.7.1
CVE-2022-2551
JVNDB-2022-015186
CVSS v3
7.5 (重要)
・Duplicator 1.4.7までのバージョン ・Duplicator 1.4.7.1
CVE-2020-11738
JVNDB-2020-003999
CVSS v3
7.5 (重要)
・Duplicator 1.3.26までのバージョン ・Duplicator 1.3.28
CVE-2018-25095
JVNDB-2024-001184
CVSS v3
9.8 (緊急)
・Duplicator 1.2.52までのバージョン ・Duplicator 1.3.0
CVE-2018-17207
CVE-2018-17207 Detail
CVSS v3
9.8 (緊急)
・Duplicator 1.2.40までのバージョン ・Duplicator 1.2.42
CVE-2018-7543
JVNDB-2018-003240
CVSS v3
6.1 (警告)
・Duplicator 1.2.32までのバージョン ・Duplicator 1.2.34
CVE-2017-16815
JVNDB-2017-010194
CVSS v3
6.1 (警告)
・Duplicator 1.2.28までのバージョン ・Duplicator 1.2.30
Wordfence CVSS v3
6.5 (警告)
・Duplicator 1.1.2までのバージョン ・Duplicator 1.1.4
Wordfence CVSS v3
5.5 (警告)
・Duplicator 0.5.26までのバージョン ・Duplicator 0.5.28
Wordfence CVSS v3
8.8 (重要)
・Duplicator 0.5.14までのバージョン ・Duplicator 0.5.16
CVE-2014-9262
JVNDB-2014-008327
CVSS v3
8.2 (重要)
・Duplicator 0.5.8までのバージョン ・Duplicator 0.5.10
CVE-2013-4625
CVE-2013-4625 Detail
CVSS v2
4.3 (警告)
・Duplicator 0.4.4までのバージョン ・Duplicator 0.4.5

※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVEの採番がされていない脆弱性情報については、Wordfenceへのリンクを掲載してあります。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。JVN、NVDにてスコアリングされていない脆弱性情報についてはWordFenceのスコアに準拠しています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。

Duplicatorのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、Duplicatorは世界的にも人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、お世話になる確率が高いプラグインです。

しかしながら、Duplicator自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、DuplicatorとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

Duplicatorを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。