【2026年7月版】MariaDBのバージョン情報とサポート期限

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

この記事は、MariaDBのバージョン情報とサポート期限についてまとめたもので、2026年7月29日に改訂しています。

MariaDBはオラクル社がサポートをしているオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)であるMySQL Community Editionのフォーク(既存のソフトウェアをコピーして変更を加えた独自のバージョン)です。

この記事では最新のMariaDBのバージョン情報やコミュニティが提供するサポート内容とサポート期限などをご確認頂けます。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

MariaDBのエディションと言葉の定義について

無料エディションと有料エディション

MariaDB Community Serverは、オープンソースで提供されているMariaDB Serverのコミュニティ向け製品です。
MariaDB Enterprise Serverは、Community Serverをベースに、企業向けの検証、設定、機能、サポートを加えたサブスクリプション製品です。

MariaDB 無料エディション MariaDB Community Server
※本記事で取り扱うMariaDB
有料エディション MariaDB Enterprise Server

とはいえ、Web制作の現場では、基本的にはMariaDB Community Serverを利用されているケースがほとんどだと思いますので、本記事で「MariaDB」と記載している場合、特別な記載がない限りMariaDB Community Serverの製品(MariaDB Server)を指しているものとします。

MariaDB Serverと想定する構成

前述のように、MariaDB Community ServerはオープンソースのMariaDB Serverです。

単一ノード構成のほか、標準レプリケーションやGalera Clusterを利用した複数ノード構成でも運用できます。

MariaDB Serverがデータベースサーバー本体であるのに対し、MariaDB Galera Clusterは、複数のMariaDB Serverノードで構成するクラスタリングソリューションです。
両者の関係を整理すると、下表のようになります。

単一ノード構成 1台のMariaDB Serverで運用
標準レプリケーション構成 複数のMariaDB Serverをプライマリ、レプリカ構成などで運用
Galera Cluster構成 複数のMariaDB Serverをマルチプライマリ型のクラスタとして運用

本記事で「MariaDB」と記載している場合、特別な記載がない限りMariaDB Serverを指します。
また、構成に関する説明では、単一ノード構成または標準レプリケーション構成を前提とし、Galera Cluster固有の設定や制約については対象外とします。

MariaDB ServerにはLTSリリースとrollingリリースの2系統があります

MariaDB Serverのバージョンは、安定したサポートを目指すLTS(Long-Term Support、長期サポート)リリースと、新機能を積極的に導入するrollingリリース(短期サポート)の2系統が存在します。

とはいえ、統一したバージョン管理がされていますので複雑に考える必要はありません。
現在サポート中のバージョンでいえば、バージョン12.3、11.8、11.4、10.11がLTSリリース、それ以外の各マイナーバージョンがrollingリリースとなります。
※例えば、11.4、11.8がLTSリリースであるため、11.1~11.3、11.5~11.7がrollingリリースとなります。
※MariaDB 10.5については、延長版(Extended)も含めた公式サポートが、2025年7月16日に終了しています。
※MariaDB 10.6については、無料版(Community)に対する公式サポートが、2025年7月6日に終了しています。

Webサイト制作・保守の現場では、ほぼ安定しているLTSリリースをご利用になられていると思いますので、本記事では「MariaDB Server」とのみ記載している場合、特別な記載がない限りMariaDB ServerのLTSリリースを指すものとします。

MariaDB Server LTSリリース 安定したサポートを目指す長期サポートバージョン
※本記事で取り扱うMariaDB Server
Rollingリリース 新機能を積極的に導入するバージョン

MariaDB Serverのバージョン情報概要

2026年7月29日現在、MariaDB Serverの最新バージョンは12.3系統です。

MariaDBの公式がセキュリティサポートをしているLTSリリースのバージョンは、12.3、11.8、11.4、10.11の4系統のみです。

MariaDB 10.6については、無料版(Community)のサポートが2026年7月6日に終了しました。
現在10.6を利用している場合は、アプリケーションやOSとの互換性を確認したうえで、サポート対象のLTS系列への移行を検討してください。

MariaDB Serverのサポート内容とサポート期限

MariaDB無料版(MariaDB Community Server)のメンテナンスポリシー

MariaDB Foundationの現行ポリシーでは、MariaDB 11.4までのLTSについて、GA日から5年間、MariaDB Community Serverのバイナリが提供されます(LTSのGA後に提供されるパッチリリースは、セキュリティ問題および不具合の修正を目的とするもので、原則として新機能は追加されません)。

しかしながら、MariaDB 11.8以降は、年1回のLTSリリースモデルに移行し、Community LTSバイナリの提供期間はGA日から3年間となりました。その後2年間は、重要度がCriticalに分類される不具合およびセキュリティ修正が、ソースコードリリースとして提供されます。

この追加の2年間は、公式バイナリやパッケージが従来と同じ形で提供され続けることを意味するものではありません。公式バイナリを利用して通常どおりアップデートできる期間と、ソースコードとして限定的な修正が提供される期間は、分けて考える必要があります。

このポリシー変更により、MariaDB 11.8のCommunityバイナリ提供終了日は2028年6月4日となり、MariaDB 11.4の終了日である2029年5月29日よりも先に訪れます。後からリリースされた11.8の方が、Communityバイナリの提供期間は先に終了するため、バージョン選定時には注意が必要です。

MariaDB Community Serverは無償で利用でき、公式のメンテナンスポリシーに基づいてバイナリや修正が提供されます。ただし、これは利用者ごとの問い合わせ対応やSLAを伴う無償のベンダーサポートを意味するものではありません。
ベンダーによる技術サポートが必要な場合は、MariaDB Enterprise製品またはCommunity Server向けの有償サポートサービスを別途契約する必要があります。

MariaDB有料版(MariaDB Enterprise Server)に関するサポートの内容

MariaDの有料エディションであるMariaDB Enterprise ServerのMariaDB Server LTSリリースに関しては、2025年以降もリリース日より5年間はサポートを受けることができます。

無料版と異なる点は、エンタープライズ向けの新機能の追加もあること、カスタムサポートがあること、有償の延長サポート(3年間)を受けることができる場合があることです。
ただし、この延長サポートの費用については、固定の価格表は公表されておらず(少なくとも当社は見つけられておらず)、企業の規模、サーバー数、サポートが必要なMariaDBインスタンスの数、具体的なサポート内容によって異なってくるようです。

MariaDB Serverのバージョンとサポート期限

MariaDB Server LTSリリースのリリース日とサポート期限について下記にまとめてみました。

MariaDB 10.6については、無料版(Community)のサポートが2026年7月6日に終了しました。
現在10.6を利用している場合は、アプリケーションやOSとの互換性を確認したうえで、サポート対象のLTS系列への移行を検討してください。

MariaDBのバージョン GAリリース日 無償版サポート終了日 有償版サポート終了日 延長版サポート終了日
12.3 TBC TBC TBC TBC
11.8 2025年6月4日 2028年6月4日 2030年10月22日 2033年10月22日
11.4 2024年5月29日 2029年5月29日 2030年1月16日 2033年1月16日
10.11 2023年2月16日 2028年2月16日 2028年2月16日 2028年2月16日
10.6 2021年7月6日 2026年7月6日 2028年8月23日 2029年8月23日
10.5 2020年6月24日 2025年6月24日 2025年7月16日 2025年7月16日
10.4 2019年6月18日 2024年6月18日 2024年6月18日 2024年6月18日
10.3 2018年5月25日 2023年5月25日 2023年5月25日 2023年5月25日

※TBCとは、「To Be Scheduled(調整中)」の略となります。12.3は2026年5月にLTSとして発表されており、2026年7月29日現在、Community Serverの最新GAは12.3.2ですが、MariaDB Foundationのメンテナンスポリシー表では、12.3のGA日と各期限がまだ「TBC」とされていることから、本表でも同様の記載としてあります。
※グレーのバージョンは公式のセキュリティサポートが終了しています。
※上記表は10.3以降のLTSリリースのバージョンだけを抜きだしたものです。

MariaDB Serverのサポート終了への対応策

MariaDB Serverのサポート終了への対応策としては、概ね次の4パターンが考えられます。

MariaDB Serverの延長サポートを購入する

MariaDB有料版を契約されている場合、延長サポートを追加で購入することで、追加サポートを受けることが可能であるようです。
曖昧な記載になっているのは、当社として延長サポートを実施した経験がないからになります。
ただ、調べた限りでは、固定の価格表が存在せずMariaDB Corporationとの契約交渉が必要な模様です。
MariaDBの公式窓口または販売代理店を通じて見積もりを依頼してみるという形になるでしょう。
ご契約いただいているベンダーさんに費用についてお問い合わせいただき、ご検討ください。

MariaDB Server以外のデータベースに変更する

MariaDB Serverから別のRDBMSへ移行する場合、互換性の観点からMySQLが候補になることがあります。

MariaDBはMySQLのフォークから始まったという経緯から、MariaDB Serverで開発されたアプリケーションとスクリプトは大きな変更を加えなくてもMySQL Serverで動作する可能性もあります。

しかしながら、MariaDBとMySQLには高い互換性がありますが、長年の独立開発によって相違点も増えています。MariaDB ServerからMySQL Serverへ移行する際は、認証方式、SQL構文、システム変数、データ型、ストレージエンジン、レプリケーション方式などを個別に確認する必要があります。

また、サポート期間は、MariaDBとMySQLの製品、バージョン、利用形態、契約内容によって異なります。
データベースを選定する際は、現行バージョンだけでなく、移行先系列のEOL、利用中のOSやアプリケーションとの互換性、必要なサポートレベルを比較する必要があります。

MariaDB Serverのバージョンアップを実施する

MariaDB Serverのバージョンアップを実施するという方法が、最も一般的な対処方法になります。
しかしながら、データベースソフトウェアのバージョンアップ、特に大きく離れたバージョン間のアップグレードでは、SQL構文、認証、文字コード、予約語、設定項目などの非互換が顕在化する可能性がありますそのため、以下の手順で慎重にバージョンアップをする必要があります。

① 現在のMariaDB Server、OS、PHP、CMS、プラグイン等のバージョンを棚卸しする
② 移行元と移行先の変更点、非互換項目、正式なアップグレードパスを確認する
③ データベースと設定ファイルをバックアップし、リストア可能であることを確認する
④ ステージング環境でアップグレードする
⑤ アプリケーションの回帰試験、CRUD、管理画面、バッチ、メール送信、検索、性能試験を行う
⑥ 本番作業手順、ロールバック手順、停止判断基準を作成する
⑦ 本番環境をアップグレードする
⑧ エラーログ、スロークエリ、レスポンス、CPU、メモリ、ディスク等を監視する

アプリケーション基盤を含めて再構築する

OS、PHP、CMS、フレームワークなどもサポート終了を迎えている場合は、MariaDB Serverだけを更新するより、アプリケーション基盤全体を再構築した方が合理的な場合があります。
再構築の要否は、技術的負債、保守コスト、セキュリティ要件、事業上の目的を踏まえて判断します。

MariaDB Serverの保守を継続する体制について

MariaDBは基本的に無償のオープンソースであり、Webサイトに関しては特にWordPressサイトで選択されることが増えてきました。
しかしながら、自社内で保守を行うにも属人化が発生してリソースが足りなくなったり、徐々にシステムの規模が大きくなるにつれて社内では対応できなくなったりすることが増えています。
そうした場合、特にWebサイトに関してはWeb制作会社に相談されると思いますが、MariaDB Serverを含むミドルウェアのアップデートには対応できないと回答されるケースもあるようです。

taneCREATIVE株式会社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されている企業であり、MariaDBと各種OSについても知見を有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

他社様が制作・開発されたWebサイトのバージョンアップ・マイグレーションについても、ケースによってはお引き受けしておりますので、ミドルウェアを含めたWebサイトの保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

なお、当社は、セキュアなWebサイト制作及びWebサイトのセキュリティ保守管理に特化したWeb制作会社として、東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しておりますので、与信管理についてはIR情報をご確認ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。