【2025年7月版】BackWPupのバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

この記事は、BackWPupのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年7月14日に改訂しています。

BackWPupは、WordPressのバックアップ管理に特化したプラグインであり、Inpsyde GmbH社によって開発されましたが、現在はGroup.oneに所属するWP Media SAS社によって開発・サポートされています。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは50万以上、総ダウンロード数は1948万回以上を計測しており、人気があるプラグインの一つと言ってよいでしょう。
Web制作会社である当社も、WordPressサイトの場合には、よく使用させていただいております。

一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にBackWPupの脆弱性は過去見つかっており、WP Media SAS社は迅速に対応しています。

この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、BackWPupの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、BackWPup自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

BackWPupとは

前述の通り、BackWPupは、WP Media SAS社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向けプラグインです。

BackWPupは、WordPressのバックアップ管理に特化したプラグインで、WordPressサイトのデータを安全に保存・復元するために広く利用されています。

システムの自動バックアップ機能、外部ストレージとの連携、そして簡単な復元プロセスを提供することで、特に技術に詳しくないユーザーにも手軽に利用できるように設計されている点が特長です。

BackWPupの主な機能

データベースバックアップ WordPressのデータベース内に格納されている、記事、管理画面の設定、ユーザー情報、コメント、プラグイン設定情報などをエクスポートし、バックアップを作成することができます。
サーバーバックアップ サーバー内に格納されている画像、テーマ、プラグイン、アップロードファイルなどをエクスポートし、バックアップを作成することができます。
外部ストレージとの連携 Dropbox, S3, FTPなどの外部ストレージサービスにバックアップデータを保存できます。
自動バックアップ バックアップのスケジュール設定を自動化し、定期的にバックアップを実行します。
復元機能 バックアップデータを使って、サイトを復元することができます。

開発・アップデートの継続

前述のように、人気のあるプラグイン(ダウンロード数が多いプラグイン)は、攻撃のターゲットとして狙われやすいという側面があります。

当社では、WordPress自体は非常に堅牢なCMSであり、バージョンアップをしっかりと行えば大きな侵入のリスクは少ないと考えています。
実際に、WordPress本体(コア)の脆弱性の数はプラグインやテーマに比べて少なく、特に最近では緊急レベルの脆弱性報告は減少しています。
※詳細は、当社が公表しているWordPressの脆弱性情報一覧を参照してください。

一方で、膨大な数のプラグインやアドオンが存在し、それらの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。
特に有名なプラグインは、多くのユーザーに利用されているため、脆弱性が発見された場合、そのプラグインを狙った攻撃が集中する可能性があります。
※Patchstackの「State of WordPress Security 2025」によれば、2024年に報告されたWordPress関連の脆弱性のうち、96%がプラグイン、4%がテーマに起因し、WordPressコア由来はごくわずかにとどまっています。
WordPressはコア(本体)のバージョンアップをすることが大事という点は変わりませんが、コア(本体)だけバージョンアップしてればよいわけではない点に注意が必要です。

そのため、BackWPupのように定期的にアップデートされ、脆弱性が迅速に修正されることは、セキュリティ対策の観点から非常に重要です。

当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントに推奨していません。

BackWPupのバージョン情報に関するポイント

公式サイトに直接的な記載はありませんが、BackWPupは、通常のセマンティックバージョニングに準拠し、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています。

2025年7月14日現在、BackWPupの最新バージョンは5.2.3であり、WordPress6.8.1までテストされています。

通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)は最新パッチバージョンのみを対象としており、BackWPupでも同様の対応が行われていると考えられます。

バージョン4.0.3以下には既知の脆弱性があるため、最新のパッチバージョンへのアップデートを実施してください。

BackWPupのバージョン情報

2025年7月14日現在での、BackWPupのバージョン情報は次の通りです。

バージョン リリース日 サポート期限 修正された脆弱性
5.2.3 2025年5月22日 サポート中
5.2.2 2025年5月20日 2025年5月22日
5.2.1 2025年4月30日 2025年5月20日
5.2.0 2025年4月29日 2025年4月30日
5.1.3 2025年4月23日 2025年4月29日
5.1.2 2025年4月15日 2025年4月23日
4.0.4 2024年3月12日 2024年5月21日 CVE-2023-7164
4.0.3 2024年2月22日 2024年3月12日
4.0.2 2023年11月22日 2024年2月22日 CVE-2023-5505
CVE-2023-5504
3.4.2 2017年9月27日 2017年10月5日 CVE-2017-2551
3.0.13 2013年8月12日 2013年12月22日 CVE-2013-4626
1.7.4 2011年6月23日 2011年6月24日 CVE-2011-4342
1.4.1 2011年1月30日 2011年3月4日 CVE-2011-5208

※上記の内容は、WordPress公式開発ログの情報を正として、バージョン5.1.2までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン4.0.3以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。

BackWPupの脆弱性情報

BackWPupの最新バージョンは5.2.3であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。

また、BackWPup 4.0.3以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。

なお、BackWPup自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。

脆弱性情報 深刻度 影響を受けるバージョン 修正されたバージョン
CVE-2023-7164
CVE-2023-7164 Detail
CVSS v3
7.5 (重要)
・BackWPup 4.0.3までのバージョン ・BackWPup 4.0.4
CVE-2023-5505
CVE-2023-5505 Detail
CVSS v3
6.8 (警告)
・BackWPup 4.0.1までのバージョン ・BackWPup 4.0.2
CVE-2023-5504
JVNDB-2023-024901
CVSS v3
8.7 (重要)
・BackWPup 4.0.1までのバージョン ・BackWPup 4.0.2
CVE-2017-2551
JVNDB-2017-008570
CVSS v3
7.5 (重要)
・BackWPup 3.4.1までのバージョン ・BackWPup 3.4.2
CVE-2013-4626
JVNDB-2013-004333
CVSS v2
4.3 (警告)
・BackWPup 3.0.12までのバージョン ・BackWPup 3.0.13
CVE-2011-4342
JVNDB-2012-004852
CVSS v2
7.2 (重要)
・BackWPup 1.7.1までのバージョン ・BackWPup 1.7.4
CVE-2011-5208
JVNDB-2012-004821
CVSS v2
5.0 (警告)
・BackWPup 1.4.0までのバージョン ・BackWPup 1.4.1

※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいていますが、CVSS v3が採用される以前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいています。
※本記事では、CVSS v3ないしCVSS v2にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠していますが、NVDにてスコアリングされていない場合には、Wordfenceのスコアに準拠しています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずJVN、NVD、Wordfenceなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。

BackWPupのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、BackWPupは人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、よくお世話になるプラグインです。

しかしながら、BackWPup自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、BackWPupとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDB、各種サーバーについてもノウハウを有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

BackWPupを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。