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皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は、AlmaLinux(アルマリナックス)OSのバージョン情報とサポート期限についてまとめたもので、2025年4月28日に改訂しています。
AlmaLinux OSはRed Hat Enterprise Linux(以下「RHEL」とします)とのバイナリレベルでの互換を目指しているLinuxディストリビューション(Linuxカーネルとその他ソフトウェア群を1つにまとめたもの)で、AlmaLinux OS Foundationによって管理されている無料のオープンソースOSです。
Webサイト、Webシステムの分野で圧倒的に採用されていたCentOS 7のサポートが、2024年6月30日をもって完全に終了したことで、Web制作の現場ではCentOS 7に変わるOSとして利用が広まってきています。
この記事では、企業のWeb担当者である皆様に向けて、AlmaLinux OSのバージョン情報とサポート期限についてまとめてみたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。どうぞよろしくお願い致します。
AlmaLinux OSは、通常のセマンティックバージョニングとは異なり、2桁の独自バージョニングを採用しています。
左からメジャーバージョン、マイナーバージョンと呼ばれます。
AlmaLinux OS 9系統については、リリースから約5年間のアクティブサポートが提供され、かつリリースから約10年間のセキュリティサポートが提供されます(8系統は、リリースから約3年間のアクティブサポート、約8年間のセキュリティサポートとなっています)。
一方で、AlmaLinux OSの各マイナーバージョンは、次のマイナーバージョンがリリースされると、以前のバージョンはサポートされなくなります。
このため、AlmaLinux OS 9.5がリリースされた時点で、9.4を含むそれ以前のマイナーバージョンはサポート対象外となります。
2025年4月28日現在、AlmaLinux OS 9系統の最新バージョンはAlmaLinux OS 9.5であり、9.4以下の公式サポートは終了しています。
アクティブサポートは2027年5月31日まで、セキュリティサポートは2032年5月31日まで継続される予定です。
AlmaLinux OS 8系統の最新バージョンはAlmaLinux OS 8.10であり、アクティブサポートは終了していますが、セキュリティサポートは2029年5月31日まで継続される予定です。
AlmaLinux OSについては、9系統はもちろん8系統であっても、しばらくはセキュリティサポートの終了を心配する必要はなさそうですが、最新マイナーバージョンにする必要がある点に注意が必要です。
また、AlmaLinux OSでは、メジャーバージョン、マイナーバージョンは変わらなくても、脆弱性対応やバグ修正に対応して、カーネルリリース番号が増えて配布されます。
これが実質的な「パッチバージョン」に相当します。
前述のように、AlmaLinux OS 9系統以降の各メジャーバージョンは、原則としてリリース日から10年間のサポートが提供されます。
アクティブサポート期限とは、AlmaLinux OSの各バージョンに関して、新しい機能が追加される最後の期限を指します。この期間中には、新機能の追加や改善が行われたり、バグ修正が行われます。また、当然ながらセキュリティパッチも提供されます。
AlmaLinux OSでは、基本的に半年に1回のマイナーバージョンアップが予定されていますので、マイナーバージョンはx.10が最終となる設計となっています。
セキュリティサポート期限とは、AlmaLinux OSの各バージョンに関して、セキュリティ関連のアップデートが提供される最後の期間を指します。
前述のように、アクティブサポート期間中にはセキュリティサポートも提供されますが、アクティブサポート終了後、セキュリティサポート終了期限までの期間は、基本的に重大な不具合及びセキュリティホールに関する修正のみが提供され、新機能の追加等は行われません。
なお、AlmaLinuxでは、新しいマイナーバージョンがリリースされると、古いマイナーバージョンについてはサポート終了になります。
例えば、AlmaLinux 9系統では9.5のみが公式サポートの対象となっており、9.4以下の公式サポートは終了しています。
同様に、AlmaLinux 8系統では8.10のみが公式サポートの対象となっており、8.9以下の公式サポートは終了しています。
AlmaLinux OSのバージョン | リリース日 | アクティブサポート終了日 | セキュリティサポート終了日 | 最新バージョン |
AlmaLinux 9 | 2022年5月26日 | 2027年5月31日 | 2032年5月31日 | 9.5 2024年11月18日 |
AlmaLinux 8 | 2021年3月30日 | 2024年5月31日 | 2029年5月31日 | 8.10 2024年5月28日 |
AlmaLinux OSは、RHELのフォークであるため、RHELで発見された脆弱性はAlmaLinuxにも影響を与える場合があることが特徴です。
基本的に、最新マイナーバージョンにおける、最新のカーネルリリース番号が使用されていれば解決していますが、詳細を知りたい場合には、公式のセキュリティアップデートリリースをご確認ください。
前述のように、AlmaLinux OSはRHELとのバイナリレベルでの互換を目指しているLinuxディストリビューションであり、現在ではRHELの(クローンOSではなく)フォークであると当社では定義していますが、稀にクライアントから「RHELの開発元であるRed Hat社が契約上クローンを禁止したという情報がある。後々トラブルになる可能性があるのでは?」と聞かれることがあるため、解説しておきます。
まず、AlmaLinux OSは、開発当初、CentOSの後継OSとしてRHELとの完全互換(クローンOS)を目指していました。
しかしながら、RHELの開発元であるRed Hat社は、「2023年6月以降、RHELのソースコードの公開リポジトリをCentOS Streamのみにする」ことを発表したことに対応して、AlmaLinux OS Foundationとしては、AlmaLinux OSの方針をRHELとのバイナリレベルでの互換を目指すことに変更したという事実があります。
ここで、Red Hat社の名誉のために補足しておくと、当社の調査では、「Red Hat社がRHELのソースコードからクローンOSやフォークを配布することを契約上禁止した」という事実は確認できていません。
もし契約上クローンOSが禁止されるならば、AlmaLinux OS自体が法的に致命的な問題を抱えていることになる可能性がありますが、Red Hat社は、RHELのバイナリをそのまま再配布することには制限を課していますが、合法的に入手したソースコードを改変して再配布することには制限を課していません。
しかしながら、RHELのソースコードの公開が、RHELのアップストリーム(ここでは先にリリースされる開発版程度の認識で大丈夫です)であるCentOS Streamのみとなったことで、RHELと同一のソースコードを合法的に取得できず、完全互換のクローンOSを目指すことが事実上困難になったということであると当社では理解しています。
そのため、AlmaLinux OSの使用自体については、少なくともRed Hat社の契約関係で問題はないが、AlmaLinuxは、もはやRHELとの正確な互換性を目指さず、いわゆるRHELのフォークとしての道を歩み始めているというのが当社の見解です。
OSの変更は、ほぼ全てのアプリケーションに影響を与えます。
しかしながら、シンプルなWebサイト環境であれば、CentOS 7からAlmaLinux OSに変更してもそのまま動く可能性も十分にあります。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、CentOS 7やAlmaLinux OSはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBなどのミドルウェアについてもノウハウを有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
CentOSからの変更や、AlmaLinuxでのWebアプリケーション開発については、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。
2025年4月28日改訂
2025年1月17日改訂
2024年9月11日執筆