【2024年9月版】SITE PUBLIS(サイトパブリス)の特長・実績

皆さんこんにちは。taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年9月24日に執筆しています。

今回はSITE PUBLIS(サイトパブリス)についてまとめてみたいと思います。

SITE PUBLIS(サイトパブリス)は、Webサイトのコンテンツを管理する為のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の製品ブランドです。

株式会社サイト・パブリスが開発・運営を継続している純国産CMSであり、2003年の発売から20年以上にわたり、多くの大手企業にて採用されてきたという実績を有します。

SITE PUBLIS(サイトパブリス)には、大きく分けて「SITE PUBLIS 4」と「SITE PUBLIS Connect」という2種類の製品がありますが、他サイトではまとめて説明されていたりしますので、若干わかりにくい印象です。

そこで、この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、SITE PUBLIS(サイトパブリス)のベンダーであり、Web制作会社である当社の観点から、各SITE PUBLIS(サイトパブリス)製品について、個別にご紹介できればと考えております。

なお、本記事は株式会社サイト・パブリスの正式な監修を経ております。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

SITE PUBLIS 4とは

SITE PUBLIS 4(サイトパブリス4)は、企業のコーポレートサイトや、比較的規模が大きめのウェブサイトの運用に適したCMSです。

公式サイトではオンプレミス型のCMSとして紹介されていますが、いわゆる自社内のサーバールームにあるサーバーだけでなく、レンタルサーバーやクラウドサーバーにも対応していることから、実際には中・小規模なサイトにも利用可能なCMSです。

Web制作会社の観点から特長を一つだけ挙げてと聞かれたら、「ブロック単位のプラグイン実装による柔軟性」と回答するでしょう。
よくWordPressと比較されますが、ブロック単位でプラグインを追加できるという点で、SITE PUBLIS 4の方が柔軟性は高いと考えております。

また、特定の業務フローの構築が可能でありつつセキュリティが堅牢であることから、官公庁、教育機関、大企業のWebサイトにも適しています。

それでは、SITE PUBLIS 4の特長・機能・費用・実績について個別に解説していきます。

SITE PUBLIS 4の特長

SITE PUBLIS(サイトパブリス)の公式サイトには、「SITE PUBLISが長らく愛されている理由は、『導入しやすさ』『通常業務を適切に行えること』『業務改善をし続けられること』にあります」と紹介されていますが、本当でしょうか。

もちろん、上記は嘘ではありませんが、正直に申し上げて比較対象となる有名CMSはどれも「導入しやすい」ですし、「通常業務を適切に行える」ことは当然、「業務改善をし続ける」ことができます。

また、同ページの公式動画では、「操作性」「運用力」「拡張性」「安全性」「サポート力」などが特に押し出されていますが、ブロックエディターは他のCMSでも普通にありますし、HTMLやCSSの知識がない方で運用できることも、プラグインがあることも同様です。
有料のCMSであれば高いセキュリティもサポートセンターもだいたい備わっています。

つまり、皆さんのような企業のWeb担当者がSITE PUBLIS 4を選んでいる決め手は、別のところにあると言ってよいでしょう。

SITE PUBLIS(サイトパブリス)のベンダーである当社からすると、SITE PUBLISチームの皆さんは、非常にまじめに良いCMSを開発・運営されていますが、マーケティングやプロモーションはそんなに上手くなくて損をされているなと感じております。

そこで、ベンダーでありWeb制作会社である当社の視点で、SITE PUBLIS 4の魅力(特長)をお伝えしていきたいと思います。

ブロック単位のプラグイン実装による柔軟性

前述のように、当社がSITE PUBLIS 4をお勧めするケースで、最もよくお伝えするポイントは「ブロック単位のプラグイン実装による柔軟性」となります。

プラグインと言われる機能拡張ソフトウェアは、ほぼすべてのCMSに存在します。

しかし、ページのなかのブロック単位でプラグインを実装できるのは、当社が知る限りでSITE PUBLISだけです。
WordPressやDrupal、Joomla、Concrete5でも、プラグインの使用をブロックごとに割り当てることはできますが、これはあくまでシステム全体にプラグインを導入した上で、その機能のオンオフをブロックごとに行えるというものであって、SITE PUBLISとはアプローチ手法が異なります。

このブロック単位のプラグイン実装のメリットとしては、プラグインの開発をする際に、サイト全体への影響を考えなくても開発できる上に、ブロック単位で小規模に開発していけることから、無駄を省きつつ全体として開発コストを抑えることができるという点が挙げられます。

また、ブロック単位でプラグインを実装できるということは、WordPress等でたまに起こる「プラグイン同士の競合」が起きにくい、ということを意味するだけでなく、アップデートやメンテナンスを局所的に実行できるためアップデートに関する運用コストを削減できるというメリットもあります。

つまり、開発コストや運用コストを抑えながら、着実にWebサイトを開発・改善していけるという点が、SITE PUBLIS 4の特長といえるでしょう。

高度なセキュリティ対策を実現可能

SITE PUBLIS 4の各種機能をリリースする場合には、IPAのルールに基づいて脆弱性診断をしていますが、これはどのCMSでも同じはずです。

しかしながら、SITE PUBLIS 4の優れた点は、20年間の運用期間があるにもかかわらず脆弱性による被害情報がほぼ無いということです。
これは、致命的な脆弱性がこれまで見つかっていないか、見つかったとしても迅速に対応されているということを意味しており、SITE PUBLIS開発チームのセキュリティリスク管理が優れている証拠と言えます。

そもそも、ベンダーである当社が言うのもなんですが、SITE PUBLIS 4は有名CMSとはいえません。
実は、有名なCMSであるということは、それだけ攻撃対象として狙われ易くなるというデメリットがあります。
SITE PUBLIS 4は有名になることよりも、セキュリティを優先してきたという点もあると思います(半分は、プロモーション不足だと思いますが…)。

また、SITE PUBLISの優れた点として、動的構成のままでも、公開サーバーと編集サーバーを分離して、編集サーバーを非公開領域に置くことができる点があります。管理者がログインをしてデータベースや機密性の高い情報を更新する編集サーバーを、非公開領域に設置できることはセキュリティ対策として非常に有用です。

更に、公式サイトには、「ヘッドレスCMS REST APIによるコンテンツ出力とコンテンツ更新」とだけさらっと記載されていて、全然訴求する意欲が感じられないのですが、これは静的構成化が可能であるということを意味しています。

この静的構成化を実装すれば、SITE PUBLIS 4が入っているWebサーバー(図ではAmazon EC2)を非公開領域に置くことができ、CDN(図ではAmazon Cloudfront)だけで処理できるため、トップレベルに堅牢にすることができます(ただし、この静的構成化をするには、フロントエンドを担当するWeb制作会社にかなりの技術力が求められます)。

20年以上の実績

SITE PUBLISが20年以上にわたって開発・運用され続けているといることは、安定性が高く、セキュリティ対策がしっかりとしており、機能が成熟しているということを意味していると考えられます。

特に、官公庁、教育機関、大企業のようなセキュリティや運用の安定性が重視されるクライアントに使われているということは、強力な競争力を持ち続けている証拠であり、信頼性が高いCMSであることを裏付けていると言えるでしょう。

官公庁、教育機関、大企業に必要な承認機能等を保有

官公庁や教育機関、大企業など、慎重な情報発信が求められる組織では、管理権限の設定とWebサイトの更新時における承認フローが求められます。
これらの機能の実装は他のCMSでも大抵は可能ですが、WordPressのようにプラグインに頼ることなく、セキュリティ対策済みの基本機能として組み込まれている点で安心です。

SITE PUBLIS 4の機能

SITE PUBLIS 4の機能については、Web制作会社の観点から重要だと思うものだけをピックアップしてみました。

かんたん操作機能 SITE PUBLIS 4では「コンポーネント」という言葉を使っていますが、いわゆるブロックエディターです。
最初にブロックごとにHTML、CSSを組み込んでおけば、あとはそれを管理画面で組み合わせることで視覚的にページを作ることができます。
プレビュー機能 公開前にページの見え方をプレビュー画面で見ることができます。
公式サイトでは未来時プレビューという機能が別途紹介されていますが、これは下記の複数公開リビジョンをプレビューできる機能となります。
タイマー設定機能 ページを公開する日時、またページの公開終了日時の予約指定をできる機能です(同一ページに複数の公開リビジョンを持つことができます(多段公開))。
特にIRページの実装に便利です。
編集権限設定機能 SITE PUBLIS 4の管理画面にログインするユーザーごとにID,PASSを割り振って、管理・更新が可能な範囲を設定することができます。
大きな組織で役割分担が明確になっている場合には、必要な機能です。
サイト内検索機能 サイト内検索はデータベースへアクセスすることができ、攻撃を受ける入口となりやすい機能ですが、セキュリティ対策済みの基本機能で提供されているので安心です。
フォーム管理機能 「問い合わせフォーム作成機能」「イベント申し込みフォーム作成機能」「簡易アンケートフォーム作成機能」など豊富なフォーム管理機能が用意されています。
承認フロー機能 ページを公開する前にチェックをし、承認を得る機能です。
大規模な組織では承認機能が必須な場合がありますが、基本機能で提供されているため開発費を抑えることができます。
会員管理機能 会員のログインアカウントを設定し、会員専用サイトを作ることができる機能です。
高度な設定は個別に実装する必要があります。
ヘッドレスCMS機能

静的構成化を実装でき、トップレベルのセキュリティ対策と表示速度の高速化を実現できます。
公式サイトには「コンテンツを複数のデバイスに表示することができます。」と説明されていますが、そこはウリではないと思っています。

バックアップ機能 保守ツールによる自動バックアップ機能です。
コンテンツデータを別のサーバーにバックアップすることで、万が一の場合に備えることができます。
リンク管理機能 リンク情報を常に保持してリンク切れを把握・回避できます。
大規模サイトでは地味に便利です。
SEO対策機能 SEO対策の機能としては、「XMLサイトマップ作成機能」「パンくず自動更新」などが標準機能として用意されています。
Not Found設定機能 404 Not Foundページを管理画面から設定できます。
プラグイン機能 基本機能にない機能はプラグインで実装できます。
なお、他社のオーダーで開発したプラグインも使用できます。

SITE PUBLIS 4のプラグイン

SITE PUBLIS 4のプラグインについては、Web制作会社の観点からよく使用されそうなプラグインだけをピックアップしてみました。
詳細については、SITE PUBLIS 4公式サイトをご確認ください(無償と記載のないプラグインは有償となります)。

SEO対策 ・SEO対策URL(無料)
・Webサイト高速化(CDN)
・画像、代替テキストチェック
・Webサイト高速化(画像)
SNS連携 ・OGPタグ自動出力
フォーム関係 ・応募上限数設定機能フォーム
コンテンツ表示関係 ・カレンダー表示(無料)
・ブログ記事内目次自動表示
・FAQオプション
・自動アクセスランキング
・ブログ同様タグページ自動表示
・誰でも『いいね』ボタン
インタラクティブ ・ユーザー投稿掲示板機能
・ユーザー口コミ投稿機能
・『お気に召しましたか?』
個人情報保護法対策 ・個人情報取得同意チェック機能(無料)
・GDPR(個人情報)対策

SITE PUBLIS 4の実績

SITE PUBLISの実績については、発売から20年間で約630社に導入されています。
一か月で約2.6社が採用を決めてきたという計算になりますね。

業界は通信(30%)、サービス(25%)、金融(15%)、流通(15%)、公共(10%)の順ですが、ITに強い通信業界やセキュリティに厳しい金融業界で使用されている点は注目に値すると思います。

また、SITE PUBLISを使用されている会社の規模は100億円以上の大手企業で70%となっており、いわゆる有名企業での実績も多い状況です。
公式サイトで公開されている国内有名企業ですと、カゴメ、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、ブックオフ、ダイキン工業などがあるようです。

当社の事例ですと、大手電鉄系企業様のコーポレートサイトなどがあります。

SITE PUBLIS 4の費用

SITE PUBLIS 4の費用は次の通りです。

ライセンス SITE PUBLIS 4
Standart
SITE PUBLIS 4
Advanced
SITE PUBLIS 4
Enterprise
サーバ構成 1サーバまで 3サーバ(例:公開2、編集1など) 5サーバまで
ユーザ数 1 無制限 無制限
ドメイン数 1ドメイン 無制限 無制限
ページ数 200ページまで 無制限 無制限
価格(税込) 1,100,000円 3,850,000円 6,600,000円
年間保守費用(税込) 220,000円 770,000円 1,320,000円

サーバー構成によって大きく変わってきますので、株式会社サイト・パブリスか当社までお問い合わせくださいい。
1サーバーで実装する場合には、上記特長の一つである公開サーバーと編集サーバーの分離ができないことになる点に注意が必要です。

SITE PUBLIS 4 Cloud、SITE PUBLIS Connectの費用

上記のSITE PUBLIS 4の費用は、サーバーを自社で用意する場合(オンプレミスだけでなくクラウドサーバーやレンタルサーバーでもOK)の費用ですがクラウド環境が最初から用意されたSITE PUBLIS 4 CloudとSITE PUBLIS Connectという製品を選択することもできます。

ライセンス PUBLIS 4 Cloud Standard
SITE PUBLIS Connect Standard
PUBLIS 4 Cloud Advanced
SITE PUBLIS Connect Advanced
サーバ構成 Web件CMSの1台構成
Webサーバ件CMSサーバ×1台
WebとCMSの独立構成
Webサーバ×2台/CMSサーバ×2台
ユーザ数 1 無制限
ページ数 200ページまで 無制限
ドメイン数 1ドメイン 1ドメイン
初期費用(税込) 220,000円 660,000円
月額利用料(税込) 110,000円 165,000円

環境が用意されていますので、スピーディに実装できる上に、初期費用を抑えることができるというメリットがありますが、その分月額利用料が高めになっている製品です。

SITE PUBLIS ConnectはSITE PUBLIS 4 Cloudと分岐し、今後APIを通じたシステム連携に特化していく方針とのことです。

SITE PUBLIS 4と対応するPHPのバージョン

SITE PUBLIS 4はPHPというプログラム言語で開発されています。
SITE PUBLIS 4のバージョンと、対応するPHPのバージョンは以下の通りです。

なお、2024年9月現在PHP8.0以下はセキュリティサポート期間が終了していますので、SITE PUBLIS 4をお使いの企業は、4.9にバージョンアップをした上で、使用PHPを8.2(8.1は2024年11月25日にセキュリティサポート期限を迎えます)にする必要があります。

SITE PUBLIS 4 対応するPHPバージョン
4.9 PHP5.4.x ~ 5.6.x
PHP7.1x ~ 7.3.x
PHP8.0 ~ 8.2
4.8 PHP5.4.x ~ 5.6.x
PHP7.1x ~ 7.3.x
PHP8.0
4.5~4.7 PHP5.4.x ~ 5.6.x
PHP7.1x ~ 7.3.x
4.4 PHP5.4.x ~ 5.6.x
PHP7.1x
4.0~4.3 PHP5.4.x ~ 5.6.x

※グレーのバージョンはPHPのセキュリティサポートが終了しています。
PHPのバージョン情報とサポート期限についてはこちらのページを参照してください。

SITE PUBLISでのリニューアル、バージョンアップについて

SITE PUBLISでのWebサイトリニューアルや、使用中のSITE PUBLISのカスタマイズ、バージョンアップ等についてご質問などがございましたら、お気軽に当社にお問い合わせください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。