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皆さんこんにちは。taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年10月4日に執筆しています。
今回はEWWW Image Optimizerのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめてみたいと思います。
EWWW Image Optimizerは、Exactly WWW LLCが開発・サポートを継続している、WordPress向けの画像最適化プラグインです。
WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは100万以上、総ダウンロード数3千800万回以上を計測しており、世界でも有名なプラグインの一つと言ってよいでしょう。
Web制作会社である当社も、WordPressを選択する際には、ほぼ必須レベルで使用させていただいております。
一方で、世界でも有名なWordPress向けの画像最適化プラグインの一つであるがゆえに、クライアントより脆弱性について質問されることがあります。
有名であるということは狙われやすいということでもあるからです。
そこで、この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、EWWW Image Optimizerの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、EWWW Image Optimizer自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
前述の通り、EWWW Image Optimizerは、Exactly WWW LLCが開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向け画像最適化プラグインです。
画像のサイズを圧縮・最適化することで、Webサイトの読み込み速度を向上させることができ、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上やSEO対策に役立ちます。
EWWW Image Optimizerの機能で、企業のWeb担当の皆様が知っておくとよいものは次の通りです(すべて無料版で使用できます)。
画像の自動最適化機能 | 画像をメディアライブラリアップロードすると、圧縮・最適化設定に基づいて自動的に画像が最適化されます。 これにより、運用時に手動で画像を最適化する必要がなくなり、運用時の作業コストを削減できます。 また、画像の最適化が一定の基準で行われるため、運用時におけるWebサイトのパフォーマンスやクオリティを維持することができます。 |
画像のリサイズ機能 | 画像をアップロードした際に、事前に指定した最大サイズに自動的にリサイズする機能です。 これにより、画像のサイズを整えてからアプロードする必要がなくなり、運用コストを削減できます。 また、画像サイズが小さくなることでWebページの読み込み速度が速くなるだけでなく、画像サイズを指定通りとすることでレンダリング時のレイアウトシフトを避けることができ、ページの表示速度やユーザー体験が向上します。 |
無劣化・劣化圧縮選択機能 | 設定によって、画質を維持したままファイルサイズを削減する無劣化圧縮と、さらに高い圧縮率を実現する劣化圧縮を選択することができます。 どちらの圧縮方式を選ぶかは、Webサイトで何を優先するかによって決定されます。例えば、Webサイトのクオリティを優先する場合には無劣化圧縮が向いていますが、速度やSEO対策を優先する場合には劣化圧縮が有効です。 |
WebPへの変換機能 | EWWW Image OptimizerはJPEG、PNG、GIF、PDF、WebP等様々な画像形式に変換可能です。 特に、WebPは従来の画像形式と比べて高い圧縮率を誇り、画像の品質をほぼ損なうことなくファイルサイズを大幅に削減できます。 WebPは次世代画像形式とされていますが、進歩の早いWeb業界においては、WebPを使用することが標準的な選択肢となっています。 |
メタデータ削除機能 | 画像ファイルにはEXIFデータ(撮影日時、カメラの機種名、カメラの設定、撮影場所等)が含まれていることがありますが、EWWW Image Optimizerはこれらのメタデータを削除して、ファイルサイズをさらに削減する機能を備えています。 メタデータを削除することで、画像の読み込み速度が向上し、Webサイトのパフォーマンス向上に寄与します。 また、不要な情報を公開しないという点で、情報管理やプライバシー保護の観点からも有用です。 |
一括最適化機能 | すでにアップロードされているメディアライブラリ内の画像を、一括で圧縮・最適化できる機能です。 EWWW Image Optimizer を導入する際や、Webサイトのリニューアル時に、既存の画像を効率よく最適化でき、作業コストを削減できます。 さらに、過去にアップロードされた画像も統一された圧縮基準で最適化されるため、Webサイトのコンテンツ管理にも寄与します。 |
Lazy Load機能 | Lazy Loadは、Webページの後半部分の画像の読み込みを遅延させ、ユーザーがスクロールした際に初めて画像を読み込ませることで、Webページのファーストビューの表示速度を向上させるものです。 これにより、ユーザーの体感速度を速めることができ、結果としてSEO対策にもつながります。 |
前述のように、世界的に見て有名なプラグイン(ダウンロード数の多いプラグイン)であるということは、攻撃のターゲットとして狙われやすいということでもあります。
皆さんは「WordPressはセキュリティが弱い」という話を聞いたことはないでしょうか。
実はWordPress自体は非常に堅牢なCMSであり、バージョンアップをしっかりと行えばそう心配する必要はないと考えています。
実際に、WordPress本体(コア)の脆弱性については、数もそれほど多くなく、特にここ最近は緊急の脆弱性は見つかっていません。
※詳細については当社が公表しているWordPressの脆弱性情報一覧を参照してください。
一方で、あまりに多くのプラグインやアドオンがあり、そしてそれらの脆弱性が狙われることが増えています。
特に有名なプラグインは使用数が多いため、脆弱性があれば、そのプラグインめがけて攻撃が集中することもあります。
そのため、EWWW Image Optimizerのアップデートが定期的になされているということは、セキュリティ対策の面から非常に重要なポイントです。
少なくとも当社は、脆弱性情報に対して対応しない、あるいは対応が遅いプラグインをクライアントにお勧めすることはありません。
公式サイトに直接的な記載はありませんでしたが、EWWW Image Optimizer、一般的なセマンティックバージョニングが採用されているようです。
3つの数字の左から「メジャーバージョン.マイナーバージョン.パッチバージョン」となります。
2024年10月4日現在、Contact Form 7の最新バージョンは7.9.0であり、WordPress6.6.2までテストされています。
公式には明言されていませんが、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、7.2.3以下のバージョンには既知の脆弱性がありますので、7.9.0へのアップデートをお勧めします。
2024年10月4日現在での、EWWW Image Optimizerのバージョン情報は次の通りです。
EWWW Image Optimizerのバージョン | リリース日 | サポート期限 | 修正された脆弱性 |
7.9.0 | 2024年9月12日 | サポート中 | - |
7.8.0 | 2024年7月25日 | 2024年9月12日 | - |
7.7.0 | 2024年6月6日 | 2024年7月25日 | - |
7.6.0 | 2024年4月24日 | 2024年6月6日 | - |
7.5.0 | 2024年3月26日 | 2024年4月24日 | - |
7.4.0 | 2024年3月6日 | 2024年3月26日 | - |
7.3.0 | 2024年2月20日 | 2024年3月6日 | CVE-2024-31924 |
7.2.3 | 2024年1月4日 | 2024年2月20日 | - |
7.2.2 | 2023年12月12日 | 2024年1月4日 | - |
7.2.1 | 2023年9月7日 | 2023年12月12日 | CVE-2023-40600 |
5.8.2 | 2020年11月12日 | 2021年1月19日 | CVE-2020-36750 |
2.8.5 | 2016年6月9日 | 2016年7月5日 | CVE-2016-20010 |
2.0.2 | 2014年9月24日 | 2014年10月28日 | CVE-2014-6243 |
※上記の内容は、WordPressのPlugin Directory source:ewww-image-optimizerの情報を正として掲載しています。
※バージョン7.2.3以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。
※CVE-2023-40600が修正された7.2.1までのバージョンを掲載していますが、例外としてEWWW Image Optimizerの古いバージョンを利用しているユーザーへの注意喚起として、下記脆弱性が修正されたバージョンについては記載してあります。
EWWW Image Optimizerに最新バージョンは7.9.0であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。
また、EWWW Image Optimizer 7.2.3以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在しますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。
なお、EWWW Image Optimizer自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。
脆弱性情報 | 深刻度 | 影響を受けるバージョン | 修正されたバージョン |
CVE-2024-31924 CVE-2024-31924 Detail |
CVSS v3 4.3 (警告) |
・EWWW Image Optimizer 7.2.3までのバージョン | ・EWWW Image Optimizer 7.3.0 |
CVE-2023-40600 JVNDB-2023-018608 |
CVSS v3 7.5 (重要) |
・EWWW Image Optimizer 7.2.0までのバージョン | ・EWWW Image Optimizer 7.2.1 |
CVE-2020-36750 JVNDB-2023-021916 |
CVSS v3 4.3 (警告) |
・EWWW Image Optimizer 5.8.1までのバージョン | ・EWWW Image Optimizer 5.8.2 |
CVE-2016-20010 JVNDB-2016-009700 |
CVSS v3 10.0 (緊急) |
・EWWW Image Optimizer 2.8.4までのバージョン | ・EWWW Image Optimizer 2.8.5 |
CVE-2014-6243 JVNDB-2014-004842 |
CVSS v2 4.3 (警告) |
・EWWW Image Optimizer 2.0.1までのバージョン | ・EWWW Image Optimizer 2.0.2 |
※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。ただし、NVDでは未分類であるCVE-2020-36750についてはWordfenceのスコアを、CVE-2024-31924についてはPatchstackのスコアを掲載しています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。
前述のように、EWWW Image Optimizerは世界で認められているプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、かなりの確率でお世話になるプラグインです。
しかしながら、EWWW Image Optimizer自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面されているかもしれません。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、EWWW Image OptimizerとWordPressはもちろんのこと、PHPについてもノウハウを有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
EWWW Image Optimizerでの画像最適化の実装やアップデートを含む保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。