【2025年1月版】Advanced Editor Toolsのバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

本記事はAdvanced Editor Tools(旧名称TinyMCE Advanced)のバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年1月23日に執筆しています。

Advanced Editor Toolsは、WordPressのビジュアルエディタ機能を強化するプラグインであり、Automattic社によって開発・サポートされています。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは200万以上、総ダウンロード数は3446万回以上を計測しており、世界的にも人気のあるプラグインの一つと言ってよいでしょう。

一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にAdvanced Editor Toolsの脆弱性は過去見つかっており、迅速に対応されています。

この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Advanced Editor Toolsの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Advanced Editor Tools自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

Advanced Editor Toolsとは

前述の通り、Advanced Editor Toolsは、Automattic社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向けプラグインであり、WordPressの標準エディタに表の作成などの機能をプラスすることができるプラグインです。

クラシックエディタとブロックエディタの両方に対応しており、ユーザーが自由にボタンの配置や機能をカスタマイズできることから、世界的にも人気のあるプラグインとなっています。

一方で、利用者の多いプラグインは、攻撃のターゲットにされる可能性があるため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントにお勧めしていません。

Advanced Editor Toolsについては、2023年8月14日にリリースされたバージョン5.9.2以降、バージョンアップがなされていませんが、最新バージョンのリリース以降脆弱性は見つかっていないこと、過去脆弱性が見つかった際には迅速に対応されていることから、2025年1月23日現在、セキュリティ面での問題はないと考えております。

Advanced Editor Toolsのバージョン情報に関するポイント

Advanced Editor Toolsは、通常のセマンティックバージョニングに近いバージョニングを採用しており、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています(開発ログではパッチバージョンのゼロは省略して表記されていることがあります)。

なお、一部の古いバージョンでは4桁目の数字が追加されていますが、これはセマンティックバージョニングの定義に従ったビルドメタデータやプレリリースではなく、追加の修正や同一日に複数のリリースを行った際に適用される、独自のバージョニング方式であると考えられます。

2025年1月23日現在、Advanced Editor Toolsの最新バージョンは5.9.2であり、WordPress6.5.5までテストされています。

通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。

Advanced Editor Toolsのバージョン情報

2025年1月23日現在での、Advanced Editor Toolsのバージョン情報は次の通りです。

バージョン リリース日 サポート期限 修正された脆弱性
5.9.2 2023年8月14日 サポート中
5.9.1 2023年8月10日 2023年8月14日
5.9.0 2023年3月30日 2023年8月10日
5.6.0 2020年12月9日 2023年3月30日
5.5.1 2020年9月29日 2020年12月9日
5.5.0 2020年8月11日 2020年9月29日
5.4.0 2020年3月31日 2020年8月11日
5.3.0 2019年11月13日 2020年3月31日
5.2.1 2019年5月22日 2019年11月13日
5.2.0 2019年5月8日 2019年5月22日
5.1.0 2019年2月22日 2019年5月8日
5.0.1 2019年1月26日 2019年2月22日
5.0.0 2019年1月13日 2019年1月26日
4.2.3 2015年8月18日 2015年8月21日 Wordfence
4.1.9 2015年4月23日 2015年8月18日

※各バージョンのリリース日については、WordPress公式サイトの開発ログの情報に基づいています。
※バージョン5.0.0までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン4.1.9以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。

Advanced Editor Toolsの脆弱性情報

Advanced Editor Toolsの最新バージョンは5.9.2であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。

また、Advanced Editor Tools 4.1.9以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへのアップデートをお勧めします

Advanced Editor Tools自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。

脆弱性情報 深刻度 影響を受けるバージョン 修正されたバージョン
Wordfence CVSS v3
4.3 (警告)
TinyMCE Advanced 4.1.9までのバージョン TinyMCE Advanced 4.2.3

※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVEの採番がされていない脆弱性情報については、Wordfenceへのリンクを掲載してあります。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。JVN、NVDにてスコアリングされていない脆弱性情報についてはWordFenceのスコアに準拠しています。
※TinyMCE AdvancedはAdvanced Editor Toolsの旧名称であり、同一のプラグインです。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。

Advanced Editor Toolsのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、Advanced Editor Toolsは世界的にも人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、お世話になる確率が高いプラグインです。

しかしながら、Advanced Editor Tools自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、Advanced Editor ToolsとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

Advanced Editor Toolsを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。