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皆さんこんにちは。taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年9月25日に執筆しています。
今回はAmazon Linuxのバージョン情報とサポート期限についてまとめてみたいと思います。
Amazon Linuxは、Amazon Web Services(以下「AWS」とします)にて提供されるLinux OSです。
特に、Amazon Elastic Compute Cloud(以下「Amazon EC2」とします)上で使用することが想定されており、Amazon EC2に最適化されている点が特徴となるOSです。
最近では、WebサイトであってもAWSで実装されるケースが増えてきました。
また、Webシステムの分野で圧倒的に採用されていたCentOS 7のサポートが、2024年6月30日をもって完全に終了したことで、Web制作の現場ではCentOS 7に変わるOSとしてAmazon Linuxも選択肢の一つになっています(サーバーを変えないといけないので、AlmaLinux OSやRocky Linuxの方が先に検討されますが…)。
安全で円滑なWebサイトの運用のためには、OSについても最新バージョンへのアップデートが欠かせません。
一方で、不用意なアップデートでWebサイト・Webシステムが正常に挙動しなくなるといった不具合も起こりかねません。
この記事では、企業のWeb担当者である皆様に向けて、Amazon Linuxのバージョン情報とサポート期限についてまとめてみたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
2024年9月25日現在、Amazon Linuxの最新バージョンはAmazon Linux 2023です(最新バージョンは2023.5. 20240916です)。
現時点では、Amazon Linux 2についても、スタンダードサポートおよびセキュリティサポートが継続されていますが、2025年6月30日にサポート期限を迎えるため、注意が必要です。
Amazon Linux 1については、スタンダードサポートおよびセキュリティサポートは終了していますので、ご使用になられている場合にはバージョンアップをする必要があります。
なお、Amazon Linux 1は、元々はAmazon Linux AMIという名称で提供されていましたが、2018年に登場したAmazon Linux 2と区別する必要が出てきたため、以前の Amazon Linux AMI をAmazon Linux 1と呼び始めたという背景があります。
そのため、Amazon Linux 1とAmazon Linux AMIは同一のOSと考えていただいて問題ありません(本記事では「Amazon Linux 1」と記載します)。
Amazon Linux 2023の各バージョンは、リリース日から2年間のスタンダードサポートが提供され、その後3年間メンテナンスが提供されます。
スタンダードサポート期間とは、セキュリティアップデートはもちろんのこと、不具合の修正、新機能の追加などが行われ、四半期ごとのマイナー・リリース(Amazon Linux 2023.x)が提供される期間です。
マイナー・リリースについては後方互換性が担保されているため、特に意識をせずにバージョンアップが可能です。
メンテナンス期間とは、セキュリティ関連のアップデートが提供される期間のことです。
メンテナンス期間においては、基本的にセキュリティアップデートと重大な不具合の修正のみが提供され、軽微な不具合の修正、新機能の追加等は行われません。
また、Amazon Linux 2023は、新しいマイナーバージョン、パッチバージョンがリリースされると、古いマイナーバージョン、パッチバ-ジョンのサポートが終了することに注意が必要です。
例えば、Amazon Linux 2023ですと、2024年9月16日にAmazon Linux 2023.5.20240916が系統でリリースされていますので、Amazon Linux 2023.0系統からAmazon Amazon Linux 2023.5.20240903までのサポートは終了していることになります(それでも最新バージョンが提供されるという意味で、Amazon Linux 2023.5系統はサポート対象であるということになります)。
また、最新のバージョンを使用するためには、管理者が定期的に手動でバージョンアップを実行することが必要になります。
Amazon Linux 2023全体及び各マイナーバージョンのリリース日、スタンダードサポート終了日、メンテナンス終了日、最新バージョンは次の通りです。
Amazon Linuxのバージョン | リリース日 | スタンダードサポート終了日 | メンテナンス終了日 | 最新バージョン |
Amazon Linux 2023 | 2023年3月1日 | 2025年3月15日 | 2028年3月15日 | 2023.5.20240916 |
Amazon Linux 2023.5 | 2024年6月24日 | 2024年9月頃(想定) | 2024年9月頃(想定) | 2023.5.20240916 |
Amazon Linux 2023.4 | 2024年3月19日 | 2024年6月24日 | 2024年6月24日 | 2023.4.20240611 |
Amazon Linux 2023.3 | 2023年12月11日 | 2024年3月19日 | 2024年3月19日 | 2023.3.20240312 |
Amazon Linux 2023.2 | 2023年9月20日 | 2023年12月11日 | 2023年12月11日 | 2023.2.20231113 |
Amazon Linux 2023.1 | 2023年6月28日 | 2023年9月20日 | 2023年9月20日 | 2023.1.20230912 |
Amazon Linux 2023.0 | 2023年3月15日 | 2023年6月28日 | 2023年6月28日 | 2023.0.20230614 |
※グレーのバージョンはセキュリティサポートが終了しています。
※正確なリリース日についてはAWS公式サイトに記載がないため、バージョン情報内の日付に合わせてあります。
※本記事は不定期更新となりますので、詳細はAmazon Linux 2023 release notesをご確認ください。
これに対し、Amazon Linux 2では、サポート内容はスタンダードサポートとメンテナンスに分かれていません。
Amazon Linux 2はリリース日から約5年間のサポートが提供され、この間にセキュリティアップデートや不具合の修正が行われます。
Amazon Linux 2でも、新しいマイナーバージョン、パッチバージョンがリリースされると、古いマイナーバージョン、パッチバ-ジョンのサポートが終了する点、最新のバージョンを使用するためには、管理者が定期的に手動でバージョンアップを実行する必要がある点はAmazon Linux 2023と同様です。
Amazon Linux 2では、マイナーバージョンは0で固定されていることが多いため、2024年以降のパッチバージョンのリリース日、スタンダードサポート終了日、メンテナンス終了日、最新バージョンを記載します。
Amazon Linuxのバージョン | リリース日 | スタンダードサポート終了日 | メンテナンス終了日 | 最新バージョン |
Amazon Linux 2 | 2018年6月26日 | 2025年6月30日 | 2025年6月30日 | 2.0.20240916.0 |
Amazon Linux 2.0.20240916.0 |
2024年9月20日 | 2025年6月30日 | 2025年6月30日 | 2.0.20240916.0 |
Amazon Linux 2.0.20240903.0 |
2024年9月6日 | 2024年9月20日 | 2024年9月20日 | 2.0.20240903.0 |
Amazon Linux 2.0.20240816.0 |
2024年8月22日 | 2024年9月6日 | 2024年9月6日 | 2.0.20240816.0 |
Amazon Linux 2.0.20240809.0 |
2024年8月15日 | 2024年8月22日 | 2024年8月22日 | 2.0.20240809.0 |
Amazon Linux 2.0.20240719.0 |
2024年7月23日 | 2024年8月15日 | 2024年8月15日 | 2.0.20240719.0 |
Amazon Linux 2.0.20240709.1 |
2024年7月11日 | 2024年7月23日 | 2024年7月23日 | 2.0.20240709.1 |
Amazon Linux 2.0.20240620.0 |
2024年6月25日 | 2024年7月11日 | 2024年7月11日 | 2.0.20240620.0 |
Amazon Linux 2.0.20240610.1 |
2024年6月13日 | 2024年6月25日 | 2024年6月25日 | 2.0.20240610.1 |
Amazon Linux 2.0.20240529.0 |
2024年6月3日 | 2024年6月13日 | 2024年6月13日 | 2.0.20240529.0 |
Amazon Linux 2.0.20240521.0 |
2024年5月24日 | 2024年6月3日 | 2024年6月3日 | 2.0.20240521.0 |
Amazon Linux 2.0.20240503.0 |
2024年5月8日 | 2024年5月24日 | 2024年5月24日 | 2.0.20240503.0 |
Amazon Linux 2.0.20240412.0 |
2024年4月19日 | 2024年5月8日 | 2024年5月8日 | 2.0.20240412.0 |
Amazon Linux 2.0.20240329.0 |
2024年4月3日 | 2024年4月19日 | 2024年4月19日 | 2.0.20240329.0 |
Amazon Linux 2.0.20240318.0 |
2024年3月25日 | 2024年4月3日 | 2024年4月3日 | 2.0.20240318.0 |
Amazon Linux 2.0.20240306.2 |
2024年3月11日 | 2024年3月25日 | 2024年3月25日 | 2.0.20240306.2 |
Amazon Linux 2.0.20240223.0 |
2024年2月23日 | 2024年3月11日 | 2024年3月11日 | 2.0.20240223.0 |
Amazon Linux 2.0.20240124.0 |
2024年1月24日 | 2024年2月23日 | 2024年2月23日 | 2.0.20240124.0 |
Amazon Linux 2.0.20240109.0 |
2024年1月10日 | 2024年1月24日 | 2024年1月24日 | 2.0.20240109.0 |
※グレーのバージョンはセキュリティサポートが終了しています。
※リリース日についてはAmazon Linux 2 release notesの日付を参照しています。
※本記事は不定期更新となりますので、詳細はAmazon Linux 2 release notesをご確認ください。
Amazon Linux 1(旧Amazon Linux AMI)のサポートは、公式には2020年12月31日で終了しています。
ただし、Amazonは特別にメンテナンスフェーズを延長し、2023年12月31日までセキュリティアップデートが提供されていました。
現時点(2024年9月)においては、すでに全てのサポートが終了しています。
Amazon Linuxのバージョン | リリース日 | スタンダードサポート終了日 | メンテナンス終了日 | 最新バージョン |
Amazon Linux 1 (Amazon Linux AMI) |
2010年12月1日 | 2020年12月31日 | 2023年12月31日 | 2018.03.0.20230404.0 |
※グレーのバージョンはセキュリティサポートが終了しています。
Amazon Linux 2023以降については、AWSの公式サイトによると、Amazon Linux 2025、Amazon Linux 2027、Amazon Linux 2029と2年ごとにメジャーバージョンがリリースされる計画のようです。
また、サポート期間・内容も、Amazon Linux 2023に準拠する模様です。
現在Amazon Linux 2023をご使用になられている場合、遅くとも2027年にはAmazon Linux 2027にメジャーバージョンアップをしないといけないなど、今後の計画を立てるのに役立つでしょう。
なお、ベンダー側である当社としては、2段階のメジャーバージョンアップは影響範囲が広くなるため、2年ごとにバージョンアップすることをお勧めしております。
Amazon Linux 2023、Amazon Linux 2、Amazon Linux 1に関する脆弱性情報は、下記のAmazon Linux Security Centerのサイトからご確認いただけます。
Amazon Linux 2023の脆弱性情報 | |
Amazon Linux 2の脆弱性情報 | |
Amazon Linux 1の脆弱性情報 |
前述のように、WebサイトであってもAWS環境で実装されるケースが増えてきました。
そして、AWSには対応していないWeb制作会社も多いと思います。
Webサイト、CMS、ミドルウェア、OS(Amazon Linux)までワンストップで設計・実装できるWeb制作会社をお探しの場合や、他社が制作したAWS環境で実装されたWebサイト、CMS、ミドルウェア、OS(Amazon Linux)をまとめてメンテナンスできるWeb制作会社をお探しの場合には、こちらのお問い合わせよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを 構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。