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皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
本記事はYoast Duplicate Postのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年1月15日に執筆しています。
Yoast Duplicate Postは、WordPressで公開済みの記事や固定ページ、またはカスタム投稿タイプなどを素早く複製し、編集可能な下書きとして作成できるプラグインであり、Enrico BattocchiさんとYoast社によって開発・サポートされています。
WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは400万以上、総ダウンロード数は3530万回以上を計測しており、世界的にも有名なプラグインの一つと言ってよいでしょう。
一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にYoast Duplicate Postの脆弱性は過去見つかっており、迅速に対応されています。
この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Yoast Duplicate Postの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Yoast Duplicate Post自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
前述の通り、Yoast Duplicate Postは、Enrico BattocchiさんとYoast社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向けプラグインであり、WordPressで公開済みの記事や固定ページ、またはカスタム投稿タイプなどを素早く複製し、編集可能な下書きとして作成できるプラグインです。
ワンクリックで内容をコピーすることで、同様の構成やレイアウトを流用した新規コンテンツを効率よく作成できることから、世界的にも人気のあるプラグインとなっています。
一方で、利用者の多いプラグインは、攻撃のターゲットにされる可能性があるため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントにお勧めしていません。
Yoast Duplicate Postについては、2022年6月28日にリリースされたバージョン4.5以降、バージョンアップがなされていませんが、最新バージョンリリース以降脆弱性は見つかっていないこと、過去脆弱性が見つかった際には迅速に対応されていることから、2025年1月15日現在、セキュリティ面での問題はないと考えております。
Yoast Duplicate Postは、通常のセマンティックバージョニングに近いバージョニングを採用しており、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています(パッチバージョンのゼロは省略されています)。
2025年1月15日現在、Yoast Duplicate Postの最新バージョンは4.5であり、WordPress6.7.1までテストされています。
通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。
2025年1月15日現在での、Yoast Duplicate Postのバージョン情報は次の通りです。
バージョン | リリース日 | サポート期限 | 修正された脆弱性 |
4.5 | 2022年6月28日 | サポート中 | - |
4.4 | 2022年1月25日 | 2022年6月28日 | - |
4.3 | 2021年12月14日 | 2022年1月25日 | - |
4.2 | 2021年11月18日 | 2021年12月14日 | - |
4.1.2 | 2021年3月23日 | 2021年11月18日 | - |
4.1.1 | 2021年1月27日 | 2021年3月23日 | - |
4.1 | 2021年1月27日 | 2021年1月27日 | - |
4.0.2 | 2021年1月14日 | 2021年1月27日 | - |
4.0.1 | 2021年1月12日 | 2021年1月14日 | - |
4.0 | 2021年1月12日 | 2021年1月12日 | - |
3.2.6 | 2020年9月17日 | 2021年1月12日 | - |
3.2.5 | 2020年7月7日 | 2020年9月17日 | - |
3.2.4 | 2019年12月10日 | 2020年7月7日 | Wordfence |
3.2.3 | 2019年7月10日 | 2019年12月10日 | - |
2.6 | 2014年2月22日 | 2016年10月9日 | CVE-2014-10379 CVE-2014-10378 |
※各バージョンのリリース日については、WordPress公式サイトの開発ログの情報に基づいています。
※上記の内容は、バージョン3.2.3までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン3.2.3以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。
Yoast Duplicate Postの最新バージョンは4.5であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。
また、Yoast Duplicate Post 3.2.3以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。
Yoast Duplicate Post自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。
脆弱性情報 | 深刻度 | 影響を受けるバージョン | 修正されたバージョン |
Wordfence | CVSS v3 5.5 (警告) |
Yoast Duplicate Post 3.2.3までのバージョン | Yoast Duplicate Post 3.2.4 |
CVE-2014-10379 JVNDB-2014-008675 |
CVSS v3 9.8 (緊急) |
Yoast Duplicate Post 2.5までのバージョン | Yoast Duplicate Post 2.6 |
CVE-2014-10378 JVNDB-2014-008674 |
CVSS v3 6.1 (警告) |
Yoast Duplicate Post 2.5までのバージョン | Yoast Duplicate Post 2.6 |
※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVEの採番がされていない脆弱性情報については、Wordfenceへのリンクを掲載してあります。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。JVN、NVDにてスコアリングされていない脆弱性情報についてはWordFenceのスコアに準拠しています。
※JVNDB-2014-008675及びJVNDB-2014-008674では、プラグイン名がDuplicate Postとなっていますが、後にYoast社に引き継がれたことでYoast Duplicate Postと変更されたものであり、同一のプラグインです。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。
前述のように、Yoast Duplicate Postは世界的にも人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、お世話になる確率が高いプラグインです。
しかしながら、Yoast Duplicate Post自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、Yoast Duplicate PostとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
Yoast Duplicate Postを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。
2025年1月15日執筆