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皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
本記事はBroken Link Checkerのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年1月30日に執筆しています。
Broken Link Checkerは、WordPressサイトでリンク切れをチェックできるプラグインであり、WPMU DEV社によって開発・サポートされています。
WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは60万以上、総ダウンロード数は1950万回以上を計測しており、人気のあるプラグインの一つと言ってよいでしょう。
一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にBroken Link Checkerの脆弱性は過去見つかっており、迅速に対応されています。
この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Broken Link Checkerの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Broken Link Checker自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
前述の通り、Broken Link Checkerは、WPMU DEV社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向けプラグインであり、Webサイト内のリンク切れを自動で検出してくれるWordPressプラグインです。
記事内に設置したリンクはもちろんのこと、コメント欄やカスタムフィールドなどに含まれるリンクもチェック対象とすることができることから、人気のあるプラグインとなっています。
一方で、利用者の多いプラグインは、攻撃のターゲットにされる可能性があるため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントにお勧めしていません。
Broken Link Checkerについては、2025年1月30日現在で、最新バージョンにおいて脆弱性は報告されていないこと、定期的にバージョンアップがされていること、過去脆弱性が見つかった際には迅速に対応されていることから、セキュリティ面での問題はないと考えております。
なお、2024年12月26日に採番されたCVE-2024-10903が確認されていますので、最新バージョンへのアップデートを推奨いたします。
Broken Link Checkerは、通常のセマンティックバージョニングに近いバージョニングを採用しており、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています。
2025年1月30日現在、Broken Link Checkerの最新バージョンは2.4.2であり、WordPress6.7.1までテストされています。
通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。
2025年1月30日現在での、Broken Link Checkerのバージョン情報は次の通りです。
バージョン | リリース日 | サポート期限 | 修正された脆弱性 |
2.4.2 | 2024年12月2日 | サポート中 | CVE-2024-10903 |
2.4.1 | 2024年9月30日 | 2024年12月2日 | CVE-2024-8981 |
2.2.4 | 2023年12月28日 | 2024年7月17日 | CVE-2024-25592 |
1.11.20 | 2022年11月11日 | 2022年11月15日 | CVE-2022-3922 |
1.11.17 | 2022年7月18日 | 2022年8月16日 | CVE-2022-2438 |
1.11.9 | 2019年12月3日 | 2020年1月2日 | CVE-2019-17207 CVE-2019-16521 |
1.10.9 | 2015年6月19日 | 2015年10月19日 | CVE-2015-5057 |
1.10.6 | 2015年4月20日 | 2015年4月24日 | CVE-2015-10098 |
1.10.2 | 2014年12月4日 | 2014年12月5日 | CVE-2014-125105 |
※各バージョンのリリース日については、WordPress公式サイトの開発ログの情報に基づいています。
※上記の内容は、バージョン2.4.1までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン2.4.1以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。
Broken Link Checkerの最新バージョンは2.4.2であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。
また、Broken Link Checker 2.4.1以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。
Broken Link Checker自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。
脆弱性情報 | 深刻度 | 影響を受けるバージョン | 修正されたバージョン |
CVE-2024-25592 JVNDB-2024-017317 |
CVSS v3 4.8 (警告) |
Broken Link Checker 2.2.3までのバージョン | Broken Link Checker 2.2.4 |
CVE-2024-10903 CVE-2024-10903 Detail |
CVSS v3 5.5 (警告) |
Broken Link Checker 2.4.1までのバージョン | Broken Link Checker 2.4.2 |
CVE-2024-8981 CVE-2024-8981 Detail |
CVSS v3 7.1 (重要) |
Broken Link Checker 2.4.0までのバージョン | Broken Link Checker 2.4.1 |
CVE-2022-3922 JVNDB-2022-004225 |
CVSS v3 4.8 (警告) |
Broken Link Checker 1.11.19までのバージョン | Broken Link Checker 1.11.20 |
CVE-2022-2438 JVNDB-2022-016514 |
CVSS v3 7.2 (重要) |
Broken Link Checker 1.11.16までのバージョン | Broken Link Checker 1.11.17 |
CVE-2019-17207 JVNDB-2019-011077 |
CVSS v3 5.4 (警告) |
Broken Link Checker 1.11.8までのバージョン | Broken Link Checker 1.11.9 |
CVE-2019-16521 JVNDB-2019-010985 |
CVSS v3 6.1 (警告) |
Broken Link Checker 1.11.8までのバージョン | Broken Link Checker 1.11.9 |
CVE-2015-10098 JVNDB-2023-007023 |
CVSS v3 6.1 (警告) |
Broken Link Checker 1.10.5までのバージョン | Broken Link Checker 1.10.6 |
CVE-2015-5057 JVNDB-2015-007736 |
CVSS v3 6.1 (警告) |
Broken Link Checker 1.10.8までのバージョン | Broken Link Checker 1.10.9 |
CVE-2014-125105 JVNDB-2023-007859 |
CVSS v3 6.1 (警告) |
Broken Link Checker 1.10.1までのバージョン | Broken Link Checker 1.10.2 |
※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVEの採番がされていない脆弱性情報については、Wordfenceへのリンクを掲載してあります。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。JVN、NVDにてスコアリングされていない脆弱性情報についてはWordFenceのスコアに準拠しています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。
前述のように、Broken Link Checkerは世界的にも人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、お世話になる確率が高いプラグインです。
しかしながら、Broken Link Checker自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、Broken Link CheckerとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
Broken Link Checkerを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。
2025年1月30日執筆