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皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
本記事はWordfence Securityのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめたもので、2025年2月4日に執筆しています。
Wordfence Securityは、WordPressサイトのセキュリティを強化するプラグインであり、Webサイトのセキュリティソリューションを提供する企業として知られているWordfence社によって開発・サポートされています。
WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは400万以上、総ダウンロード数は3億7364万回以上を計測しており、世界的にも有名なプラグインの一つと言ってよいでしょう。
一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にWordfence Securityの脆弱性は過去見つかっており、迅速に対応されています。
この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Wordfence Securityの脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Wordfence Security自体については安心して使用していただけるようにしたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
Wordfence Securityは、前述の通り、Wordfence社が開発・サポートを継続している、オープンソースのWordPress向けプラグインであり、WordPressサイトに対する包括的なセキュリティ機能を提供するプラグインです。
Web Application Firewall (WAF) が悪意のあるトラフィックをブロックし、マルウェアスキャンがサイトの脆弱性をチェックしてくれる他、ログインセキュリティ機能では、二段階認証 (2FA) やログイン試行回数制限で不正アクセスを防いでくれることから、WordPressサイトのセキュリティ対策として多くの人に利用されています。
一方で、利用者の多いプラグインは、攻撃のターゲットにされる可能性があるため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントにお勧めしていません。
Wordfence Securityについては、2025年1月15日にリリースされたバージョン8.0.3以降、脆弱性は見つかっていないこと、過去脆弱性が見つかった際には迅速に対応されていること、定期的なバージョンアップがされていることから、2025年2月4日現在、セキュリティ面での問題はないと考えております。
公式サイトに直接的な記載はありませんが、Wordfence Securityは、通常のセマンティックバージョニングに近いバージョニングを採用しており、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されています。
2025年2月4日現在、Wordfence Securityの最新バージョンは8.0.3であり、WordPress6.7.1までテストされています。
通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであり、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。
2025年2月4日現在での、Wordfence Securityのバージョン情報は次の通りです。
バージョン | リリース日 | サポート期限 | 修正された脆弱性 |
8.0.3 | 2025年1月15日 | サポート中 | - |
7.6.1 | 2022年9月6日 | 2022年9月19日 | CVE-2022-3144 |
7.6.0 | 2022年7月28日 | 2022年9月6日 | - |
7.1.14 | 2018年10月1日 | 2018年10月1日 | Wordfence |
6.1.7 | 2016年5月10日 | 2016年5月26日 | Wordfence |
5.2.4 | 2014年9月15日 | 2014年9月20日 | Wordfence Wordfence Wordfence |
5.2.3 | 2014年9月12日 | 2014年9月15日 | Wordfence |
5.1.5 | 2014年7月5日 | 2014年7月23日 | CVE-2014-4932 |
5.1.4 | 2014年6月24日 | 2014年7月5日 | CVE-2014-4664 |
3.8.3 | 2013年8月28日 | 2013年9月30日 | Wordfence |
3.3.7 | 2012年10月19日 | 2012年11月13日 | Wordfence Wordfence |
※各バージョンのリリース日については、WordPress公式サイトの開発ログの情報に基づいています。
※上記の内容は、バージョン8.0.3までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン7.6.0以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。
Wordfence Securityの最新バージョンは8.0.3であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。
また、Wordfence Security 7.6.0以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。
Wordfence Security自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。
脆弱性情報 | 深刻度 | 影響を受けるバージョン | 修正されたバージョン |
CVE-2022-3144 JVNDB-2022-017644 |
CVSS v3 4.8 (警告) |
Wordfence Security 7.6.0までのバージョン | Wordfence Security 7.6.1 |
Wordfence | CVSS v3 4.7 (警告) |
Wordfence Security 7.1.13までのバージョン | Wordfence Security 7.1.14 |
Wordfence | CVSS v3 6.1 (警告) |
Wordfence Security 6.1.1から6.1.6 | Wordfence Security 6.1.7 |
Wordfence | CVSS v3 7.2 (重要) |
Wordfence Security 5.2.3までのバージョン | Wordfence Security 5.2.4 |
Wordfence | CVSS v3 6.5 (警告) |
Wordfence Security 5.2.3までのバージョン | Wordfence Security 5.2.4 |
Wordfence | CVSS v3 7.2 (重要) |
Wordfence Security 5.2.3までのバージョン | Wordfence Security 5.2.4 |
Wordfence | CVSS v3 7.2 (重要) |
Wordfence Security 5.2.2までのバージョン | Wordfence Security 5.2.3 |
CVE-2014-4932 JVNDB-2014-008640 |
CVSS v3 6.1 (警告) |
Wordfence Security 5.1.4までのバージョン | Wordfence Security 5.1.5 |
CVE-2014-4664 JVNDB-2014-005254 |
CVSS v2 4.3 (警告) |
Wordfence Security 5.1.3までのバージョン | Wordfence Security 5.1.4 |
Wordfence | CVSS v3 7.2 (重要) |
Wordfence Security 3.8.1までのバージョン | Wordfence Security 3.8.3 |
Wordfence | CVSS v3 6.5 (警告) |
Wordfence Security 3.3.6までのバージョン | Wordfence Security 3.3.7 |
Wordfence | CVSS v3 6.1 (警告) |
Wordfence Security 3.3.6までのバージョン | Wordfence Security 3.3.7 |
※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。CVSS v3の適用前の脆弱性情報についてはCVSS v2に基づいて記載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠しています。JVN、NVDにてスコアリングされていない脆弱性情報についてはWordfenceのスコアに準拠しています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVDなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。
前述のように、Wordfence Securityは世界的にも人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、お世話になる確率が高いプラグインです。
しかしながら、Wordfence Security自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、Wordfence SecurityとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについてもノウハウを有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
Wordfence Securityを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守・管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。
2025年2月4日執筆