Breakfast...

春が来たかと思うと冬へ逆戻り、
新芽が出て直ぐのカンゾウも雪に埋もれ寒そうです。

寒い朝は特に温かい味噌汁が最高ですよね。
それに合うように「白菜の浅漬け」を作りました。
塩と昆布、鷹の爪のみ、超簡単な浅漬けです。

「朝食」といえば佐渡の郷土料理「いごねり」を思い出しています。
玄関口には暖簾が掛けられ、京都の和菓子屋さんか、お茶屋さんと思われる
町屋造りの細長い家屋でした。奥に進むと海藻が積まれ、
また、いろいろな器具類が並び「いごねり」が作られる作業場が現れました。
それを突き進んでいくと、そこは海岸でした。
そこで、原料になるのは「いご草」と呼ばれる海藻だと・・・
かなり昔の事ですが、深く印象的だった事はよくよく覚えています。

海藻といえば能登半島、禅寺「總持寺」より北で、
輪島の手前の海岸際の宿での「朝食」の話しです。
土鍋が囲炉裏の炭火に掛けられ、その周りに竹で編まれた「籠皿」が並べられていました。
その「籠皿」の上には、なんと主人が早朝に摘んでくださった海藻類です。
6〜7種類は有ったでしょうか?
それら異なる海藻の味を土鍋の「海藻しゃぶしゃぶ」で頂く、
シンプルですが「究極の料理」でした。

日本海の魚介類の美味しさは分かっていますが、
海藻類も格別だと、その折り改めて教えられた記憶があります。

人それぞれ味覚は異なります。が、僕にとってこの料理は「至福の味覚」でした。
海藻といえば乾燥された物が殆どですよね、
稀に寿司屋でつまみに「めかぶ」の刺身とか出されますが・・・
「海藻のしゃぶしゃぶ」は料理として「別格」だと僕は思います。

今後もこの「朝食」、いや〜全ての「食」としても、
これ以上はきっと無いでしょう・・・確信しています。
一生に一度の出会いの「美味」を今も主人と日本海に感謝しています。
「ありがとうございました。」