【2024年11月版】ホワイトハットSEOとブラックハットSEOをWeb制作会社が解説

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

この記事は、企業のWeb担当の皆様に向けて、ホワイトハットSEOとブラックハットSEOの差異について解説したもので、2024年11月14日に改訂したものです。

あくまで「自称」ホワイトハットSEO業者の当社の見解であり、学術的な正確性を保証できないことだけご留意いただけますと幸いです。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

ホワイトハットSEOとは

SEO対策とは

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、「検索エンジン最適化」という意味です。

すなわち、SEO対策とは、Webサイトが検索エンジン(例:Google、Bing、Yahoo!Japanなど)の検索結果ページで上位に表示されるように最適化する対策のことを指します。

本記事における「検索エンジン」とはGoogleを指しますが、日本で2021年ごろまでGoogleの次にwww(world wide web)での検索シェアを有していたYahoo!JapanもGoogleの検索アルゴリズムを利用していることから、Googleへの最適化対策によって日本国内のwwwでの検索ニーズの大半に最適化できるようになります。

なお、最近はBingのシェアも上昇しており、日本においても2022年ごろから検索シェアにおいてYahoo!Japanを超えて第2位となっていますが、Googleのシェアは依然として圧倒的(75%~80%)であり、本記事におけるSEO対策とはGoogleでのSEO対策を指すものとします。

ホワイトハットSEOとは

このSEO対策を得意とする会社は、「ホワイトハットSEO」と「ブラックハットSEO」の二つに分かれていました。

「ホワイトハットSEO」とは、一般的に、次の2点に注力した検索エンジン最適化手法であると言われています。

① ユーザーにとって有益なコンテンツを制作することで、検索エンジン経由でコンテンツに興味を有するユーザーを集客するSEO対策(コンテンツSEO)

② 検索エンジンの推奨するルールに従うことで、検索エンジンに自社サイトの情報を正しく伝え、検索順位を最適化する手法(テクニカルSEO)

当社にてクライアントにホワイトハットSEOの概要を説明させて頂く場合には、このような図を使って説明をさせて頂いております。

まず、基盤として検索エンジンに「ここに良質なコンテンツがありますよ」と正確に伝達できるようにWebサイトを制作・改善します(テクニカルSEO)。

その上で、ユーザーとって価値のある良質なコンテンツを作り続けることで、(コンテンツSEO)、コンテンツに興味を有するユーザーを集客します。

その結果、多くのWebサイトから自然なリンクを獲得したり、良い話題として取り上げてもらう(サイテーション)ようにWebサイトを制作・運営していきます。

ホワイトハットSEOという言葉が使われ始めた初期には②の意味が強い概念でしたが、最近では①の意味で使用される方も多く見受けられます。

しかしながら、基本的には、①コンテンツSEOと②テクニカルSEOのセットでホワイトハットSEOを説明する方が主流であると思います。

説明 対策例
外部評価の獲得 テクニカルSEOとコンテンツSEOの結果として、自然な外部リンクやサイテーションが増加し、サイトに対する評価が高まります。 ・自然な外部リンクを増加させる
・自然なサイテーションを増加させる
・ドメインパワーを向上させる
コンテンツSEO ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作・発信することで、検索エンジン経由でコンテンツに興味を有するユーザーを集客します。 ・ターゲットユーザーを設定する
・ペルソナを設定する
・キーワードを選定する
・高品質なコンテンツを制作する
・定期的な分析をする
・コンテンツの改善を継続する
テクニカルSEO Googleの推奨するルールに従ってWebサイトを制作・運用することで、Googleに対して情報を正しく伝えることで、検索エンジンで上位表示されやすくします。 ・基本的なタグを設定する
・コアウェブバイタルに適合したコーディングをする
・サイト構造を最適化する
・内部リンクビルディングを構築する

ホワイトハットSEOのメリット

・ユーザーにとって有益なコンテンツが積み重なっていくので、Webサイトのサイトパワーと資産価値は徐々に高まっていく傾向にあります。

・Googleの推奨する手法、技術に基づいて制作しますので、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作し続ける限り、順調にユーザー数が増加する確率が高い手法です。

ホワイトハットSEOのデメリット

・コンテンツSEOは高品質なコンテンツを制作し続けるというものですので、コストと時間の片方ないし双方がかかります。

・テクニカルSEOは、「Googleが定めるルール通りにWebサイトを制作する」という手法ですので、Webサイト制作時やリニューアル時でなければ、効率的に対策を行うことが難しい手法です。

・ユーザーにとって有益なコンテンツの積み重ねとサイトパワーの向上は比例しますので、サイトパワーの向上には時間を必要とする傾向にあります。

ブラックハットSEOとは

これに対し、ブラックハットSEOとは、一般的にGoogleアルゴリズムの裏をかく不正・悪質な手法で、Webサイトの実態以上の評価を得ようとする手法であるとされています。

当社自体は設立時より「ホワイトハットSEO」のチームを自認しておりますが、別段「ブラックハットSEO」が「不正」であるとか「悪質」であるとは考えているわけではありません。
「正」「不正」とはあくまでGoogleの基準に基づいてのものですし、「悪質」かどうかは誰に対して「悪質」なのかという考え方によっては、ケースによって相対的に変化するものであると考えるからです。

この「ブラックハットSEO」と分類される手法は、2011年ごろまではSEO対策の主流でした。

具体的な手法としては、文章にキーワードを不自然に詰め込む手法や、隠しテキストなどで実際より特定のキーワードに関するコンテンツが存在するかのように見せかける手法、他者が作成したコンテンツをコピーしてコンテンツを量産する手法、ほぼ同じ内容のコンテンツを量産する手法等がありましたが、大量のサテライトサイトから被リンクを意図的・段階的に設置する手法が最も代表的な手法であったといえます。

外部からリンクがされている数が多ければ多いほど、人が流入するサイトであり、あるいは参照される権威のあるサイトであるという推定から、Googleの検索アルゴリズムには被リンクの数と質が評価基準として組み込まれていますが、それを逆手にとって、数多くのサテライトサイトを制作し、そこからのリンクを段階的に張り付けることで、Googleに実態よりも高い評価をさせようとする手法が流行していました。

こういったブラックハットSEOの手法の流行で何が起こるかと言えば、低品質なコンテンツが検索結果上位に表示されるという現象であり、これが続けばGoogleは検索エンジンとしての価値を徐々に失ってしまいます。

GoogleがブラックハットSEOの撲滅に本気を出すことは想像に難くありません。

2000年代のGoogleアップデート

以下、ブラックハットSEO・ホワイトハットSEOに影響を与えた、2000年代のGoogleのアルゴリズム改善の歴史を簡単にご紹介します。

なお、2000年代は、ちほうタイガーはSEOの世界に降り立っていませんでしたので、国内外のサイトの情報を拾いながらまとめたものになります。

アップデート名 概要 SEO対策への影響
ボストンアップデート
(2003年2月)
インデックスデータの更新が行われ、基本的な検索結果の改善と、検索インデックスの大規模な更新が行われました。 コンテンツの質やリンクの重要性が見直され、SEOの概念が変化し始めました。
カサンドラアップデート
(2003年4月)
外部リンクの評価を強化するアップデートで、隠しリンクや低品質なリンク、不自然なバックリンクに対してチェックされるようになりました。 不自然なリンク操作の効果が低下し、自然なリンク構築が求められるようになりました。
ドミニクアップデート
(2003年5月)
カサンドラアップデートからさらにリンクチェックの厳格化を進めたアップデートで、バックリンクの構造が見直されました。 スパム的なリンク手法を多用するサイトがペナルティを受け、検索順位の大幅な変動が見られました。
エスメラルダアップデート
(2003年6月)
クローリングとインデックスデータ更新の頻度を高めることで、検索結果が以前より頻繁に更新されるようになりました。 コンテンツ改善が検索結果に反映されるようになったことで、ブラックハット的な手法が通用しにくくなりました。
フリッツアップデート
(2003年6月)
インデックス更新の頻度をさらに増加させるアップデートで、ほぼ毎日検索順位が変更されるようになりました。 ブラックハット的な短期的手法が持続しなくなり、長期的なSEO戦略の重要性が高まりました。
フロリダアップデート
(2003年11月)
悪質なキーワード詰め込みやキーワードスタッフィングなどのブラックハット手法による不自然な検索結果を改善する対策でした。 ブラックハットSEO手法による順位操作が大幅に抑制され、SEOの概念がコンテンツ重視へと進みました。
オースティンアップデート
(2004年1月)
隠しキーワードの排除と、専門性のあるページの評価を向上させた対策で、信頼性や専門性のあるサイトの評価を強化する狙いがありました。 ブラックハット的な隠し要素の無効化が進み、信頼性・専門性がSEO戦略の重要な要素となりました。
ブランデーアップデート
(2004年2月)
類語の理解、アンカーテキストの評価、リンク構造の最適化を進めたアップデートであり、コンテンツの関連性を評価されるようになりました。 より自然な言語の使用と高品質なリンク構築が求められるようになりました。
ノーフォローアップデート
(2005年1月)
HTML属性「nofollow」の導入することで、トラックバックスパムの影響を低下させる対策でした。 ブラックハット的なリンク操作を無効化する手法が提供され、リンクの質と関連性が重視されるようになりました。
パーソナライズド検索実装
(2005年6月)
検索結果に、ユーザーの検索履歴、位置情報、閲覧傾向から推測される検索意図が影響するようになりました。 特定のキーワードで一貫して上位表示を狙うブラックハットSEOの手法が、期待した効果を上げにくくなりました。
Googleローカルの導入
(2005年10月)
店舗情報(店名、住所、営業時間、地図)などの検索結果に表示するようになりました。 ブラックハットSEOへの影響はこの時点では限定的でしたが、後に大きな影響を与える伏線となりました。
ビッグダディアップデート
(2005年12月)
価値の低いスパムコンテンツや不自然なリンクの評価を下げることで、スパム的なコンテンツの除去を目指しました。 ブラックハットSEOの影響力がさらに減少し、SEOの概念がコンテンツ重視へとさらに進みました。
ユニバーサル検索導入
(2007年5月)
Googleの各種サービス(ニュース、動画、画像)が検索結果に表示されるようになりました。 SEO対策の面においても多様なコンテンツを提供することの重要性を認識するきっかけとなりました。
カノニカルタグアップデート
(2009年2月)
canonical(カノニカル)タグによって、重複コンテンツに分散していた評価を指定したコンテンツに集約できるようになりました。 ブラックハットSEOで使用された重複コンテンツによる検索結果の操作がより難しくなりました。
パーソナライズド検索アップデート
(2009年12月)
パーソナライズド検索がさらに強化され、ログインしていないユーザーに対してもパーソナライズド検索結果が提供される状態になりました。 検索結果の個別化が更に進んだことで、特定のキーワードで誰に対しても上位表示させることが難しくなりました。

2010年代の前半のGoogleアップデート

2010年代前半のアップデート

次に、ブラックハットSEO・ホワイトハットSEOに影響を与えた、2010年代のGoogleのアルゴリズム改善の歴史を簡単にご紹介します。

なお、2010年代は、ちほうタイガーはSEOの世界に降り立った時期であり、2012年にtaneCREATIVE社が創業されました。
そのため、これらのアップデートについてはリアルタイムで見てきましたが、基本的にホワイトハットSEOにとってプラスになる影響ばかりであり、対応に困ったという記憶はありません。

当社が運用をサポートさせていただいているWebサイトで、アップデートの影響で大きく順位を下げたケースはありませんでしたが、この時期に当社がサポートを担当させていただいたWebサイトは小中規模のものが多く、大規模サイトを運用していたチームにとっては、大きな影響もきっとあったのではないかと推察しております。

下記2010年代前半のアップデートは、ちほうタイガーが認識していたものだけを掲載しています。

アップデート名 概要 SEO対策への影響
メーデーアップデート
(2010年4月)
ロングテール検索でよりクオリティの高いサイト上位に現れるようにするランキングアルゴリズムの更新でした。 個別のページに価値のあるコンテンツを作ることが求められるようになりました。
カフェインアップデート
(2010年6月)
インデックスシステムの全面的な見直しにより、ページのインデックス速度が大幅に向上し、検索結果の更新がより速くなりました。 インデックスの処理速度が劇的に向上したことで、継続的なコンテンツの改善が推奨され始めました。
スクレイパーアップデート
(2011年1月)
スクレイピングをして作成したコンテンツ(コピーコンテンツ)を規制するアップデートでした。 自動的にコンテンツを集めて組み合わせて集客するというブラックハット的SEOが規制されはじめました。
パンダアップデート
(2011年2月~)
低品質なコンテンツの検索順位を下げるアルゴリズム更新であり、以降継続的に実施されました。 このパンダアップデートの影響については、パンダアップデートとペンギンアップデートを参照してください。
フレッシュネスアップデート
(2011年12月)
鮮度の高い、話題性のあるコンテンツを、上位表示させるためのアルゴリズムが実装されました。 コンテンツの内容だけでなく、鮮度という評価軸が明確にされました。
ヴェニスアップデート
(2012年2月)
ユーザーの位置情報に基づいて、より関連性の高いローカル検索結果を表示するようになりました。 各地域のユーザーにとって価値の高いコンテンツを作成するローカルSEOが意識されるようになりました。
ペンギンアップデート
(2012年4月~)
スパム行為や、ウェブマスター向けガイドラインに違反したサイトの順位を下げるアルゴリズム更新であり、以降継続的に実施されました。 特に低品質な被リンクを主体としていたブラックハットSEOにとって大打撃となりました。
EMDアップデート
(2012年9月)
完全一致ドメイン(Exact Match Domain)であっても品質の低いサイトが上位に表示されないようになりました。 ドメイン名に頼るSEO対策が効果を失い、コンテンツの品質やユーザー体験が重視されるようになりました。
ペイデイローンアップデート
(2013年6月)
クレジットカード系、ローン系、ギャンブル系などのサイトにおけるブラックハットSEO手法をターゲットにしたものでした。 スパム的なマーケティング手法が蔓延していた業界が狙い打ちされ、ブラックハットSEOはより収益性を失いました。
ハミングバードアップデート
(2013年8月~)
検索クエリの言葉一つ一つを個別に評価するのではなく、クエリ全体の意味を理解し、文脈を考慮した検索結果を提供するようになりました。 特定のキーワードに依存するのではなく、全体として高品質なコンテンツの作成が求められるようになりました。
HTTPSをランキングシグナルに導入
(2014年8月)
HTTPS(SSL/TLS)を使用しているサイトが検索順位で優遇されるようになり、使用していないサイトの順位が相対的に下がるようになりました。 HTTPSに対応していることがテクニカルSEO対策の一要素として明確に認識されました。
パイレーツアップデート
(2014年10月)
デジタルミレニアム著作権法に抵触するサイト(違法に映画・音楽・電子書籍等の海賊版サイト)の評価を下げるためのアップデートでした。 正当なコンテンツの権利を保護するための一歩でしたが、この申請を悪用する業者が現れ始めました。
ドアウェイアップデート
(2015年3月)
Googleがガイドライン違反と定義づける「誘導ページ(ドアウェイページ)」の順位を下げるアップデートでした。 特に市町村名だけを変えて大量の導入ページを制作するというブラックハットSEOの手法が通用しにくくなりました。
モバイルフレンドリーアップデート
(2015年4月~)
モバイル(スマートフォンやタブレット)においてもサイトが最適化されているかを評価するようになりました。このアップデートは2016年にも第2弾が実施されています。 モバイルにおいてもコンテンツを最適化することがSEO対策として明確に認識されるようになりました。
クオリティーアップデート
(2015年5月)
オリジナルコンテンツが少ないといったクオリティの低いサイトの評価を下げるためのアップデートでした。 より、高品質なコンテンツの重要性が認識され、この頃にはコンテンツSEOという言葉が定着してきました。

パンダアップデートとペンギンアップデート

こういった背景の下、2011年以降にGoogleが順次導入したブラックハットSEO対策のアルゴリズムが
「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」でした。

一説には「白黒つけてやる」という強い意図でこの2種類の動物名が付けられたと言われていますが、その真偽は当社では確認できておりません(業界の都市伝説的なものです)。

しかしながら、この2つの猛獣(アルゴリズム)が、ブラックハットSEOに対してトドメを指す目的でインターネットの世界に放たれたことはおそらく事実です。

「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」の役割とアップデートの経緯は次の通りです。

パンダアップデート コンテンツの内容を評価し、内容の薄いコンテンツや他サイトないし同一サイト内で不自然な重複コンテンツの順位を下げるアップデートであり、低品質なコンテンツの順位が下がることで、相対的に高品質なコンテンツの順位が上げることを目指しました。
このパンダアップデートは下記のように継続的に実施されました(パンダアップデートのアナウンスは実施時にされなかったケースも多いため、日付などについてはSEO業界の分析も含まれています)。

【パンダアップデートの履歴】
・パンダアップデート 1.0(2011年2月)
・パンダアップデート 2.0(2011年4月)
・パンダアップデート 2.1(2011年5月)
・パンダアップデート 2.2(2011年6月)
・パンダアップデート 2.3(2011年7月)
・パンダアップデート 2.4(2011年8月)
・パンダアップデート 2.5(2011年9月)
・パンダアップデート 3.0(2011年10月)
・パンダアップデート 3.1(2011年11月)
・パンダアップデート 3.2(2012年1月)
・パンダアップデート 3.3(2012年2月)
・パンダアップデート 3.4(2012年3月)
・パンダアップデート 3.5(2012年4月)
・パンダアップデート 3.6(2012年4月)
・パンダアップデート 3.7(2012年6月)
・パンダアップデート 3.8(2012年6月)
・パンダアップデート 3.9(2012年7月)
・パンダアップデート 3.91(2012年8月)
・パンダアップデート 3.92(2012年9月)
・パンダアップデート 4.0(2014年5月)
・パンダアップデート 4.1(2014年9月)
・パンダアップデート 4.2(2015年7月)

現在では、パンダはコアアルゴリズムに統合され、リアルタイムに改善が実施されるようになりました(そのため、パンダアップデートというGoogleからのアナウンスは2016年以降なくなりました)。
ペンギンアップデート スパム行為や、ウェブマスター向けガイドラインに著しく違反しているWebページに対して検索結果の順位を下げるアップデートであり、特に低品質な被リンク(不正なリンクネットワークやリンクファーム)への低評価がブラックハットSEOに打撃を与えました。

【ペンギンアップデートの履歴】
・ペンギンアップデート 1.0 (2012年4月)
・ペンギンアップデート 1.1 (2012年5月)
・ペンギンアップデート 1.2 (2012年10月)
・ペンギンアップデート 2.0 (2013年5月)
・ペンギンアップデート 2.1 (2013年10月)
・ペンギンアップデート 3.0 (2014年10月)
・ペンギンアップデート 4.0 (2016年9月)

現在では、ペンギンはコアアルゴリズムに統合され、リアルタイムに改善が実施されるようになりました(そのため、ペンギンアップデートというGoogleからのアナウンスは2016年以降なくなりました)。
また、現在ではサイト単位ではなく、ページ単位で評価されています。

当時からWeb業界に属していた経験からすると、この「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」は、まさにブラックハットSEOに対するトドメの一撃に相当するものでした。

ブラックハットSEOによるコンテンツSEOへの擬態

上記のようにブラックハットSEOの典型的な手法がGoogleに通用し難くなるのと並行して、2012年ごろから2014年ごろまでに間にWebマーケティングの業界で一躍脚光を浴び始めたのが、コンテンツマーケティングという概念です。

コンテンツマーケティングとは、「読者にとって価値の高いコンテンツの制作・発信を行うことで、見込客として明確に定義された読者を引き寄せ、関係性を維持し、最終的には購買やファンとしての定着など、利益に結びつく行動を促すことを目的とするマーケティング手法」であると言われています。

このコンテンツマーケティングの概念をWebの分野で導入するにあたり、特に検索エンジン経由の集客手法として紹介され始めたのがコンテンツSEOと呼ばれるものであると当社では理解しています。

コンテンツSEOは、ユーザーにとってより価値の高いコンテンツをより多く制作することで、そのコンテンツに興味を持つユーザーをGoogle検索経由で引き寄せるという手法として、正にホワイトハットSEOの王道として紹介され始め、さらに詳細な施策として「キュレーションサイト」や「オウンドメディア」が積極的に提案・実装されてきました。

「キュレーションサイト」のキュレーションとは、Web業界では本来「インターネット上の情報を収集・整理し、組み合わせて新しい価値を有する情報としたうえで共有すること」であるとされていますが、「まとめサイト」が流行したことから、一般には「キュレーションサイト」=「まとめサイト」という狭い意味で理解されている方も多かったと思います。

「オウンドメディア」とは、ペイドメディア(有料メディア)・アーンドメディア(SNS)・オウンドメディア(企業・個人が自由に運営できるメディア)と呼ばれる「トリプルメディア」というマーケティング概念におけるメディアの一分類です。ブログや当社の公式サイト内のコラムなどもこれに該当すると言えます。

キュレーションサイトもオウンドメディアもそれ自体はWebマーケティングの手法として有用なメディア概念である点について異論は多くありません。

問題は、こういったコンテンツSEOを、本来のWebメディアの運営によるマーケティング手法として利用するのではなく、Webサイトの実態以上の評価を得ようとするブラックハットSEO的な手法の隠れ蓑として利用するサイトが流行したということです。

オウンドメディアにおいても、本来の利用のされ方ではなく、検索エンジンで上位表示させたいサイトの下層にオウンドメディアを構築することで、Webサイトの実態以上の評価を得ようとする利用方法が散見されるようになってきました。

手法としては単純で、クラウドソーシングを利用して全国のライターさんに激安で記事を作成させ、低品質であっても記事を大量に公開し続けるというものでした。

しかしながら、この手法は低品質なコンテンツを読むことになったユーザーにとっても不利益を与えますが、この対策に対してお金を出した企業にとっても、PV数は増えるのにお問い合わせは増えないといった不利益な状況を生み出しました。

2010年代の後半以降のGoogleアップデート

SEO業界においても、上記のようなPV数第一の対策によって関連性の低いユーザーを集めても、購入やお問合せなど目的のアクションへの転換するコンバージョン率は低くなってしまいますし、何よりユーザーにとって価値の低いコンテンツを量産し続けても、遅かれ早かれGoogleのアルゴリズムに選別されてしまうと考えられていましたが、実際に2010年代後半以降のアップデートでそうなっていきました。

下記2010年代後半以降のアップデートですが、Googleは2018年ごろからアップデートごとに特定の名前を付けることを控え、代わりに「コアアップデート(Core Update)」などの一般的な名称で呼ぶようになりました。
コアアップデートは、現在も年2回から4回ほど実施されています。

それ以外の固有名称がついている特徴的なアップデートについては、当社がSEO上重要だと認識していたものだけを紹介します。

アップデート名 概要 SEO対策への影響
AMPアップデート
(2016年10月)
モバイルページ高速に表示させるAMP対応ページを優遇するアップデートでした。 この頃より、SEO対策面でも表示速度の重要性が認識され始めるようになりました。
MFIアップデート
(2016年11月~)
モバイルファーストインデックス(MFI)が採用され、スマートフォンサイトが評価の主軸となりました。以降継続的に移行処理が行われました。 モバイルでのSEO対策が主軸になった他、ページ速度がより重要になりました。
セーフブラウジングの強化
(2016年12月~)
セーフブラウジングのポリシー違反を短期間のうちに繰り返すサイトに対してペナルティを課すことになりました。 HTTPSへの対応に続き、十分なセキュリティ対策をすることがテクニカルSEO対策の一要素であることが示されました。
インタースティシャルペナルティの導入
(2017年1月)
モバイルユーザーの閲覧体験を妨げるポップアップやオーバーレイ広告を表示する着地ページの検索順位を下げる措置を導入しました。 広告を実装する場合でもユーザー体験を最優先に考えて設計することがSEO対策としても必要になりました。
日本語検索アップデート
(2017年2月)
日本語特有の低品質なサイトや自動生成コンテンツの評価を見直し、検索結果の信頼性を高めることを目的としていました。 日本語特有のブラックハットSEOが対策され、コンテンツの正確性や独自性がより求められるようになりました。
フレッドアップデート
(2017年3月)
広告を過度に掲載しているサイトなど、コンテンツの質よりも収益化に重きを置いているサイトの順位が低下しました。 コンテンツファーストの概念がより意識されるようになりました。
アウルアップデート
(2017年4月)
フェイクニュースや不正確なコンテンツ、ヘイトスピーチなどの攻撃的なコンテンツの順位を低下させることを目的としていました。 専門知識を持つ信頼できる著者によって執筆されたコンテンツを高く評価する傾向が強まりました。
医療健康アップデート
(2017年12月)
医療・健康に関連する情報について、医療従事者や医療機関などから提供された信頼度の高い情報を取り扱うサイトの評価が高まりました。 医学的根拠のない情報が検索上位に表示されていることを問題視して日本限定で行われました。
スピードアップデート
(2018年7月)
モバイル検索において、表示速度が非常に遅いページの順位が低下するようになりました。 ページの表示速度がSEO対策の一要素であることが明確に意識されるようになりました。
メディックアップデート
(2018年8月)
健康や医療、財務、法務といったYMYL分野の検索結果において、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなりました。 医療健康アップデートがさらに強化され、全世界に展開されました。
ダイバーシティアップデート
(2019年6月)
検索結果の1ページに同一ドメインからは最大2つのページまでしか表示されないようになりました。 SEO対策上サブドメインの取り扱いについてより緻密に考慮する必要性が生じました。
BERTアップデート
(2019年10月)
Googleが開発したAIベースの自然言語処理技術であるBERTが、検索クエリを分析するようになりました。 高品質であれば自然な文章でよくなり、共起語に基づくコンテンツ作成の重要性が相対的に低くなりました。
強調スニペットアップデート
(2020年1月)
検索結果の強調スニペットに表示されたページは、通常の検索結果(オーガニックリスト)から除外されるようになりました。 強調スニペットに選ばれるとゼロクリック検索が増える等、SEO対策の効果検証が難しくなりました。
パッセージランキング
アップデート
(2020年10月)
ページ全体ではなく、ページ内のセクション(パッセージ)だけを評価して検索結果を返す仕組みが導入されました。 包括的な記事が検索結果で有利になるケースが出始め、長文コンテンツが流行し始めました。
商品レビューアップデート
(2021年4月~)
商品のレビューについて、実際の使用体験や具体的な情報を提供するレビューを優先して評価するようになりました。 レビューコンテンツの質を高め、具体的で信頼性のある情報を提供することが重要になりました。
Core Web Vitals
アップデート
(2021年5月~)
ユーザー体験を評価するための指標がCore Web Vitals(ページの表示速度、インタラクティブ性、視覚的安定性)として実装されました。 ページの表示速度やインタラクティブ性、視覚的安定性がテクニカルSEOの重要要素となることがほぼ確定しました。
Page Experience
アップデート
(2021年6月~)
Page Experienceの要素として、モバイルフレンドリー、HTTPS、煩わしいインタースティシャルの回避に加えて、Core Web Vitalsが追加されました。 Core Web Vitalsが他の要素とともにPage Experienceとしてランキングシグナルとして組み込まれました。
リンクスパムアップデート
(2021年7月~)
リンクを通じたランキング操作の影響を減少させるために、Googleのスパム検出アルゴリズムが強化されました。 質の低いリンクに依存していたサイトは検索順位が下がり、質の高い自然なリンクの価値が相対的に高まりました。
MUMアップデート
(2021年10月~)
検索アルゴリズムにAI技術を活用したモデルで、特に複雑な検索クエリに対してより包括的で正確な情報を提供するようになりました。 包括的で専門的なコンテンツが求められ、テキスト以外のマルチメディア対応も重要になってきました。
ヘルプフルコンテンツ
アップデート
(2022年8月~)
ユーザーの検索意図に合致する、価値の高いコンテンツをより高く評価し、価値の低いコンテンツをより低く評価するようになりました。 ユーザーの検索意図を分析した上で、役立つコンテンツを制作する重要性がさらに強まりました。
スパムアップデート
(2022年10月~)
ウェブ上のさまざまな種類のスパム行為を対象にしたアップデートであり、セキュリティが不十分なサイトへのペナルティも強化されました。 各種スパムのリスクが増加し、セキュリティ対策の重要性も意識されるようになりました。

ホワイトハットSEOの一部としてのコンテンツSEO

前述のように、コンテンツSEOは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作・発信することで、検索エンジン経由でコンテンツに興味を有するユーザーを集客する手法です。
具体的な手法については、当社の方で記事として公開しておりますので、下記リンクからご覧ください。

ターゲットユーザー、ペルソナを設定する
キーワードを選定する
高品質なコンテンツを制作する
定期的な分析をする
コンテツの改善を継続する

ホワイトハットSEOの一部としてのテクニカルSEO

テクニカルSEOは、Googleの推奨するルールに従ってWebサイトを制作・運用することで、Googleに対して情報を正しく伝えることで、検索エンジンで上位表示されやすくします。
具体的な手法については下記の通りです。

・基本的なタグを設定する
・コアウェブバイタルに適合したコーディングをする
・サイト構造を最適化する
・内部リンクビルディングを構築する

上記のように、MFIアップデート以降、テクニカルSEOもモバイルでの対策が重要になりました。

当社は、テクニカルSEOでは日本トップレベルの技術を持っていると自負しております(実際にこのサイトをPageSpeed Insightsで測定してもらえれば、モバイルでもWordPressサイトとしてトップレベルのスコアが計測されると思います)。

テクニカルSEOに強みを有するWeb制作会社ではありますが、それでも、SEO対策としてみた場合には、コンテンツSEOの方がテクニカルSEOよりも圧倒的に重要です。
当社の感覚的な重要度の割合は、コンテンツSEO:テクニカルSEOの9:1程度です。

それでも、勝負を分けるのはその10%程度であることも多いですし、実際にその10%が上手にできていないためにいろいろな不都合がでて、当社にご相談に来られる企業様がいるのも事実です。

このテクニカルSEOにつても、今後当社の方で記事として公開する予定です。

ホワイトハットSEO対策に関してはご相談ください

前述のように、SEO対策は、セキュリティ対策まで必要とされる時代となりましたし、今後もその傾向は続くものと考えられます。

しかしながら、セキュリティ対策を含めたテクニカルSEOとコンテンツSEOにワンストップで対応できるWeb制作会社は少ないのではないでしょうか。

ホワイトハットSEOに対応したWebサイト制作や、保守管理業務のなかでのホワイトハットSEO対策の実施に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

taneCREATIVE社はWebサイト・ホームページ制作サービスでWeb幹事アワード2024にて表彰されています

当社は、2023年12月よりWeb幹事に登録をし、Web幹事さんからご紹介いただいているコンペに参戦してまいりました。

そのうえで、1万5千社登録されているWeb幹事登録制作会社のうち、2023年1月~2024年6月の期間で登録した制作会社のなかではベスト(新人賞)という評価をいただきました。
ホワイトハットSEOに対応したWeb制作が可能です。

※幹事AWARD事務局様からのコメント

新人賞の受賞、誠におめでとうございます。
デザイン力はもちろん、セキュリティー面も考慮したホームページ制作は短期間で多くのお客様を魅了し続けています。
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幹事AWARD2024

taneCREATIVE社は保守・管理サービスでJ-Startup NIIGATAに選定されています

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社であり、保守・管理業務の一環としてホワイトハットSEO対策の実施も実施しております。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。