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皆さんこんにちは。taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。
この記事は2024年10月22日に執筆しています。
今回はSite Kit by Googleのバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめてみたいと思います。
Site Kit by Googleは、Google Analytics 4、Search Console、AdSense、PageSpeed Insights、Google Tag Managerなどの主要な Google サービスを、WordPress ダッシュボードに統合するためのプラグインで、Google社によって開発・サポートされています。
WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは400万以上、総ダウンロード数は1億5050万回以上を計測しており、世界的にも人気があるプラグインの一つと言ってよいでしょう。
一方で、人気が高いほど攻撃対象になるリスクもあるため、脆弱性への適切な対応が重要になります。
実際にSite Kit by Googleの脆弱性は過去見つかっており、Googleのサポートチームは迅速に対応しています。
この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、Site Kit by Googleの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、Site Kit by Googleを安心して使用していただけるようにしたいと思います。
少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
前述の通り、Site Kit by Googleは、Google社によって開発・サポートされているオープンソースのWordPressプラグインです。
このプラグインを使用すると、Google Analytics 4、Search Console、AdSense、PageSpeed Insights、Google Tag Managerなどの主要な Google サービスを、WordPress ダッシュボードに統合することができます。
これにより、サイトのパフォーマンスやトラフィックデータ、収益データを一箇所で確認できるようになり、サイト改善に役立てることができます。
Google Analytics 4 連携 | 訪問者数、ユーザーの行動、人気のあるページなど、サイトのトラフィックに関する詳細なデータをWordPressのダッシュボードから確認することができます。 |
Google Search Console連携 | サイトの検索パフォーマンス、具体的にはキーワードごとの検索結果画面での表示回数やクリック率、検索順位の変動を視覚的に確認することができます。 |
Google AdSense連携 | AdSenseの収益データやクリック数、表示回数など、WordPressサイトに掲載されている広告の収益を、ダッシュボード内で確認できます。 |
PageSpeed Insights連携 | サイトの読み込み速度等、UX面の現状を評価し改善提案を確認することができます。 モバイルとデスクトップの両方で、各項目のスコアと、パフォーマンス向上のための具体的なアクションが表示されます。 |
Google Tag Manager管理 | Google Tag Manager(GTM)をWordPressサイトに簡単に導入・管理できます。 |
前述のように、人気のあるプラグイン(ダウンロード数が多いプラグイン)は、攻撃のターゲットとして狙われやすいという側面があります。
当社では、WordPress自体は非常に堅牢なCMSであり、バージョンアップをしっかりと行えば大きな侵入のリスクは少ないと考えています。
実際に、WordPress本体(コア)の脆弱性の数はプラグインやテーマに比べて少なく、特に最近では緊急レベルの脆弱性報告は減少しています。
※詳細は、当社が公表しているWordPressの脆弱性情報一覧を参照してください。
一方で、膨大な数のプラグインやアドオンが存在し、それらの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。
特に有名なプラグインは、多くのユーザーに利用されているため、脆弱性が発見された場合、そのプラグインを狙った攻撃が集中する可能性があります。
※「20 WordPress Statistics You Should Know in 2023」によれば、WordPressに関連する脆弱性の約90%はプラグインに、6%はテーマに、残りの4%はWordPressコアに起因しているとのことです。
そのため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントに推奨していません。
Site Kit by Googleについては、定期的にバージョンアップがなされていること、また、過去脆弱性が見つかっていますが、Google社によって脆弱性にも迅速に対応されていることから、2024年10月22日現在、セキュリティ面での問題はないと考えております。
公式サイトに直接的な記載はありませんが、Site Kit by Googleは、通常のセマンティックバージョニングに準拠し、左からメジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数字で構成されていると考えられます。
2024年10月22日現在、Site Kit by Googleの最新バージョンは1.137.0であり、WordPress6.6.2までテストされています。
通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)は最新パッチバージョンのみを対象としており、Site Kit by Googleでも同様の対応が行われていると考えられます。
バージョン1.8.0以下には既知の脆弱性があるため、最新のパッチバージョンへのアップデートを実施してください。
2024年10月22日現在での、Site Kit by Googleのバージョン情報は次の通りです。
バージョン | リリース日 | サポート期限 | 修正された脆弱性 |
1.137.0 | 2024年10月7日 | サポート中 | - |
1.8.1 | 2020年5月20日 | 2020年6月1日 | CVE-2020-8934 |
1.8.0 | 2020年5月8日 | 2020年5月20日 | - |
※上記の内容は、WordPress公式の開発ページの情報を正として、バージョン1.137.0までを掲載しています。また、それ以前のバージョンについては、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※バージョン1.8.0以下には既知の脆弱性が存在するため、グレーにしています。
Site Kit by Googleの最新バージョンは1.137.0であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。
また、Site Kit by Google 1.8.0以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在する可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください。
なお、Site Kit by Google自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。
脆弱性情報 | 深刻度 | 影響を受けるバージョン | 修正されたバージョン |
CVE-2020-8934 JVNDB-2020-018074 |
CVSS v3 4.3 (警告) |
・Site Kit by Google 1.8.0までのバージョン | ・Site Kit by Google 1.8.1 |
※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures(本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。
※本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要(7.0~8.9)、警告(4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しています。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)に準拠していますが、NVDにてスコアリングされていない場合には、Google Inc.のスコアに準拠しています。
※CVE-2020-8934の修正されたバージョンについて、Wordfenceでは1.8.0とされていますが、当社の調査によると1.8.0では部分的な対応しかされておらず、完全に修正されたものは1.8.1となっています。JVN、NVDの記載である1.8.1を正としています。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずJVN、NVD、Wordfenceなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。
前述のように、Site Kit by Googleは人気のあるプラグインであり、Web制作の現場でWordPressを利用する場合には、よくお世話になるプラグインです。
しかしながら、Site Kit by Google自体のバージョンアップをしようと思っても、WordPressやPHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。
taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、Site Kit by GoogleとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDB、各種サーバーについてもノウハウを有しています。
※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。
Site Kit by Googleを使用したWordPressサイト制作やアップデートを含む保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。
taneCREATIVEに所属する謎のトラ。