【2024年12月版】ProfilePress (Formerly WP User Avatar)のバージョンと脆弱性情報

皆さんこんにちは。
taneCREATIVEの「ちほうタイガー」です。

この記事は2024年12月15日に執筆しています。

今回はProfilePress(旧称:WP User Avatar)のバージョンと脆弱性への対応状況についてまとめてみたいと思います。

ProfilePressは、WordPressでユーザープロフィールの管理やログイン、登録フォームのカスタマイズを行うためのプラグインであり、Proper Fraction社によって開発・サポートされています。

WordPressのPlugin Directoryの統計情報によると、アクティブインストールは20万以上、総ダウンロード数1372万回以上を計測しており、世界でも人気のあるプラグインの一つと言ってよいでしょう。

一方で、人気のあるプラグインであるため、攻撃対象になりやすい側面もあります。

そこで、この記事では、企業のWeb担当の皆様に向けて、ProfilePressの概要並びに、脆弱性及びその対応状況をご紹介することで、ProfilePressを安心して使用していただけるようにしたいと思います。

少しでも皆様のお役に立てる記事にできればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

ProfilePressとは

前述の通り、ProfilePressは、Proper Fraction社によって開発・サポートが継続されている、オープンソースのWordPress向けプラグインです。

このプラグインを使用すると、WordPressサイトでユーザープロフィールの管理やログイン、登録フォームのカスタマイズなどを行うことができます。

元々は「WP User Avatar」というプラグイン名で、アバター管理専用の軽量プラグインでしたが、2021年以降の大規模アップデートによって「ProfilePress」へと名称・機能を拡張し、会員登録、ユーザーログイン、パスワードリセット、カスタムプロフィール編集フォームなど、包括的な会員管理ソリューションへと方針転換がされています。

しかしながら、当社のようなWeb制作会社の場合、ProfilePressを利用することはあまりありません。

コーポレートサイトやサービスサイト中心の案件が多い制作会社であれば、ProfilePressほど複雑な会員管理機能は不要ですし、機能追加やコードベースの大幅な改変が行われた2021年以降、多くの脆弱性が見つかっている点も採用しにくい理由の一つです。

もちろん、セキュリティ保守の観点からは、できるだけプラグインの数を増やしたくないという理由もあります。

しかしながら、当社がこれまでに保守を引き受けたWordPressサイトには、ProfilePressが使用されていたことはあります。

日本国内でも多く使用されているプラグインの一つという印象です。

ProfilePressの機能

ユーザー登録 ユーザーがサイト内で新規アカウントを作成できるユーザー登録機能です。
一般的なWordPress標準の登録フォームよりもデザインや入力項目を自由にカスタマイズできるため、ブランドイメージに合わせた加入プロセスを構築できます。
ログイン管理 ユーザーのログインフォームからのログインを管理できます。
また、パスワードを忘れた場合には、パスワードリセット機能を用いて、ユーザー自身が安全かつスムーズに新たなパスワードを設定できる仕組みが用意されています。
マイページ ログイン済みユーザー向けの基本的な「マイページ(ユーザーアカウントページ)」を用意できます。
ユーザーはこのページ上で、プロフィール情報(氏名、ニックネーム、メールアドレスなど)を直接編集可能です。
アバターの表示 WordPress標準のGravatar機能だけでなく、ユーザー独自のアバター画像をアップロード・表示できる機能を備えています。
登録ページのカスタム コードが書けない運営者でも、簡易なビジュアルエディタを用いて登録フォームやログインフォーム、プロフィール編集フォームを組み立てることができます。

開発・アップデートの継続

前述のように、人気のあるプラグイン(ダウンロード数が多いプラグイン)は、攻撃のターゲットとして狙われやすいという側面があります。

当社では、WordPress自体は非常に堅牢なCMSであり、バージョンアップをしっかりと行えば大きな侵入のリスクは少ないと考えています。
実際に、WordPress本体(コア)の脆弱性の数はプラグインやテーマに比べて少なく、特に最近では緊急レベルの脆弱性報告は減少しています。
※詳細は、当社が公表しているWordPressの脆弱性情報一覧を参照してください。

一方で、膨大な数のプラグインやアドオンが存在し、それらの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。
※「20 WordPress Statistics You Should Know in 2023」によれば、WordPressに関連する脆弱性の約90%はプラグインに、6%はテーマに、残りの4%はWordPressコアに起因しているとのことです。

特に、ProfilePressのようなダウンロード数の多いプラグインは、多くのユーザーに利用されているため狙われやすい傾向にあります。
そのため、当社では、脆弱性に対する対応が遅い、もしくは対応しないプラグインは、クライアントに推奨していません。

ProfilePressは定期的にアップデートがされており、2024年12月15日現在、未修正の脆弱性は見つかっていないため、使用は問題ないと考えております。

ただし、2024年11月26日にCVE-2024-11083が採番されておりますので、最新バージョンへのアップデートを推奨いたします。

ProfilePressのバージョン情報に関するポイント

公式サイトに直接的な記載は見つけることができませんでしたが、ProfilePressでは、一般的なセマンティックバージョニングに近い形式で更新が行われているようです。
3つの数字の左から「メジャーバージョン.マイナーバージョン.パッチバージョン」となります。

2024年12月15日現在、ProfilePressの最新バージョンは4.15.19であり、WordPress 6.7.1までテストされています。

通常のオープンソースソフトウェアでは、公式のサポート(新機能の追加、不具合の改修、セキュリティパッチの提供)対象は最新パッチバージョンのみであることから、最新パッチバージョンへのアップデートを推奨いたします。

ProfilePressのバージョン情報

2024年12月15日現在での、ProfilePressのバージョン情報は次の通りです。

バージョン リリース日 サポート期限 修正された脆弱性
4.15.19 2024年11月26日 サポート中
4.15.18 2024年11月16日 2024年11月26日 CVE-2024-11083
4.15.15 2024年10月7日 2024年10月10日 CVE-2024-10518
CVE-2024-10517
4.15.9 2024年5月22日 2024年6月16日 CVE-2024-2861
4.15.6 2024年4月9日 2024年5月15日 CVE-2024-3210
4.15.5 2024年3月29日 2024年4月9日 CVE-2024-2867
4.15.3 2024年3月7日 2024年3月18日 CVE-2024-1535
4.15.2 2024年2月23日 2024年3月7日 CVE-2024-1806
4.15.1 2024年2月20日 2024年2月23日 CVE-2024-1409
4.15.0 2024年2月17日 2024年2月20日 CVE-2024-1570
CVE-2024-1519
CVE-2024-1408
4.14.4 2024年2月1日 2024年2月17日 CVE-2024-1046
4.13.3 2023年9月19日 2023年10月1日 CVE-2023-44150
4.13.2 2023年9月9日 2023年9月19日 CVE-2023-41954
4.11.0 2023年6月21日 2023年7月10日 Wordfence
4.5.5 2023年1月21日 2023年2月3日 CVE-2023-23830
CVE-2023-23820
4.5.4 2023年1月11日 2023年1月21日 CVE-2023-23996
CVE-2022-47444
4.5.1 2022年12月23日 2022年12月31日 CVE-2022-4698
CVE-2022-4697
4.4.0 2022年12月6日 2022年12月8日 CVE-2022-45083
3.2.16 2022年7月21日 2022年7月28日 Wordfence
3.2.3 2021年11月9日 2021年11月20日 CVE-2021-24955
CVE-2021-24954
3.1.11 2021年7月9日 2021年7月13日 CVE-2021-24522
3.1.8 2021年6月23日 2021年7月4日 CVE-2021-24450
3.1.4 2021年5月30日 2021年6月14日 CVE-2021-34624
CVE-2021-34623
CVE-2021-34622
CVE-2021-34621

※上記の内容は、WordPress公式サイトの開発ログの情報を正として、バージョン4.15.18までを掲載しています。
※バージョン4.15.18未満については、下記脆弱性が修正されたバージョンを追記しています。
※既知の脆弱性が存在バージョンはグレーにしています。

ProfilePressの脆弱性情報

ProfilePressの最新バージョンは4.15.19であり、当社が把握している全ての脆弱性に修正対応済みとなっています。

また、ProfilePress 4.15.18以下のバージョンをご使用の場合には、既知の脆弱性が存在している可能性がありますので、最新バージョンへとアップデートをしてください

なお、ProfilePress自体に関する脆弱性情報で、当社が把握しているものは次の通りです。

脆弱性情報 深刻度 影響を受けるバージョン 修正されたバージョン

CVE-2024-11083
CVE-2024-11083 Detail

CVSS v3
5.3 (警告)
ProfilePress 4.15.18までのバージョン ProfilePress 4.15.19

CVE-2024-10518
CVE-2024-10518 Detail

CVSS v3
4.4 (警告)
ProfilePress 4.15.14までのバージョン ProfilePress 4.15.15

CVE-2024-10517
CVE-2024-10517 Detail

CVSS v3
4.4 (警告)
ProfilePress 4.15.14までのバージョン ProfilePress 4.15.15

CVE-2024-3210
CVE-2024-3210 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.15.5までのバージョン ProfilePress 4.15.6

CVE-2024-2867
CVE-2024-2867 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.15.4までのバージョン ProfilePress 4.15.5

CVE-2024-2861
CVE-2024-2861 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.15.8までのバージョン ProfilePress 4.15.9

CVE-2024-1806
CVE-2024-1806 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.15.1までのバージョン ProfilePress 4.15.2

CVE-2024-1570
CVE-2024-1570 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.14.4までのバージョン ProfilePress 4.15.0

CVE-2024-1535
CVE-2024-1535 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.15.2までのバージョン ProfilePress 4.15.3

CVE-2024-1519
CVE-2024-1519 Detail

CVSS v3
6.5 (警告)
ProfilePress 4.14.4までのバージョン ProfilePress 4.15.0

CVE-2024-1409
CVE-2024-1409 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.15.0までのバージョン ProfilePress 4.15.1

CVE-2024-1408
CVE-2024-1408 Detail

CVSS v3
6.4 (警告)
ProfilePress 4.14.4までのバージョン ProfilePress 4.15.0

CVE-2024-1046
JVNDB-2024-002552

CVSS v3
5.4 (警告)
ProfilePress 4.14.3までのバージョン ProfilePress 4.14.4

CVE-2023-44150
JVNDB-2023-018554

CVSS v3
7.5 (重要)
ProfilePress 4.13.2までのバージョン ProfilePress 4.13.3

CVE-2023-41954
CVE-2023-41954 Detail

CVSS v3
7.3 (重要)
ProfilePress 4.13.1までのバージョン ProfilePress 4.13.2

CVE-2023-41953
CVE-2023-41953 Detail

CVSS v3
4.3 (警告)
ProfilePress 4.13.1までのバージョン ProfilePress 4.13.2

Wordfence

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 4.10.3までのバージョン ProfilePress 4.11.0

CVE-2023-23830
JVNDB-2023-009520

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 4.5.4までのバージョン ProfilePress 4.5.5

CVE-2023-23820
JVNDB-2023-009136

CVSS v3
5.4 (警告)
ProfilePress 4.5.4までのバージョン ProfilePress 4.5.5

CVE-2023-23996
JVNDB-2023-006725

CVSS v3
4.8 (警告)
ProfilePress 4.5.3までのバージョン ProfilePress 4.5.4

CVE-2022-47444
JVNDB-2022-021571

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 4.5.3までのバージョン ProfilePress 4.5.4

CVE-2022-45083
JVNDB-2022-025061

CVSS v3
7.2 (重要)
ProfilePress 4.3.2までのバージョン ProfilePress 4.4.0

CVE-2022-4698
JVNDB-2022-003284

CVSS v3
4.8 (警告)
ProfilePress 4.5.0までのバージョン ProfilePress 4.5.1

CVE-2022-4697
JVNDB-2022-003285

CVSS v3
4.8 (警告)
ProfilePress 4.5.0までのバージョン ProfilePress 4.5.1

Wordfence

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 3.2.15までのバージョン ProfilePress 3.2.16

CVE-2021-24955
JVNDB-2021-016273

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 3.2.2までのバージョン ProfilePress 3.2.3

CVE-2021-24954
JVNDB-2021-018447

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 3.2.2までのバージョン ProfilePress 3.2.3

CVE-2021-24522
JVNDB-2021-012737

CVSS v3
6.1 (警告)
ProfilePress 3.1.10までのバージョン ProfilePress 3.1.11

CVE-2021-24450
JVNDB-2021-013030

CVSS v3
4.8 (警告)
ProfilePress 3.1.7までのバージョン ProfilePress 3.1.8

CVE-2021-34624
JVNDB-2021-008953

CVSS v3
9.8 (緊急)
ProfilePress 3.0.0 から 3.1.3 ProfilePress 3.1.4

CVE-2021-34623
JVNDB-2021-008952

CVSS v3
9.8 (緊急)
ProfilePress 3.0.0 から 3.1.3 ProfilePress 3.1.4

CVE-2021-34622
JVNDB-2021-008951

CVSS v3
8.8 (重要)
ProfilePress 3.0.0 から 3.1.3 ProfilePress 3.1.4

CVE-2021-34621
JVNDB-2021-008950

CVSS v3
9.8 (緊急)
ProfilePress 3.0.0 から 3.1.3 ProfilePress 3.1.4

※脆弱性情報については、情報セキュリティにおける脆弱性情報に付けられている番号であるCommon Vulnerabilities and Exposures (本記事では「CVE」とします)の順序に従って掲載しています。CVEにて採番されていない脆弱性情報については、Wordfenceへのリンクを掲載しています。
※深刻度については、共通脆弱性評価システムCVSS v3に基づいています。本記事では、CVSS v3にて緊急(9.0~10.0)、重要 (7.0~8.9)、警告 (4.0~6.9)に区分されるもののみを掲載しており、その他の情報については、JVN iPediaなどでご確認ください。
※深刻度の数値はJapan Vulnerability Notes(本記事では「JVN」とします)及び、JVNが評価を合わせている米国国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベースであるNational Vulnerability Database(以下「NVD」)や独立行政法人情報処理推進機構(以下「IPA」)に準拠しています。NDV、IPAでスコアリングがされていない場合には、Wordfenceのスコアを記載しています。
※本記事における脆弱性情報は、ProfilePress無料版についてのものであり、ProfilePress有料版のものは含まれておりません。
※CVE-2024-9947については、JVNの情報を見る限りではProfilePress無料版の脆弱性であるようにも読めますが、CVEの情報では、有料版の脆弱性と読めるため記載していません。
※本記事における脆弱性情報は、当社が把握しているものだけであり、全ての脆弱性情報を網羅できているかはわかりません。
※本記事における脆弱性情報をご利用になる場合には、必ずCVE、JVN、NVD、Wordfenceなどの情報を確認されたうえで、自己責任でご利用ください。

ProfilePressのバージョンアップを継続する体制について

前述のように、ProfilePressは人気のあるプラグインであり、日本国内でも利用者は多数いるものと推察されます。

しかしながら、ProfilePress自体のバージョンアップをしようと思っても、最新のWordPressで上手く動かなかったり、PHPのバージョンアップが必要であったり、設定が複雑であるなどの問題に直面することもあるかと思います。

taneCREATIVE社は、「リモートによるWebアプリケーションのセキュリティ対策をパッケージ化、首都圏大手企業に提供」している点が評価され、2021年にJ-Startup NIIGATAに選定されているWeb制作会社で、ProfilePressとWordPressはもちろんのこと、PHP、MySQL、MariaDBについても知見を有しています。

※「J-Startup NIIGATA」とは、経済産業省が2018年に開始したJ-Startupプログラムの地域版として、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業群を明らかにし、官民連携により集中的に支援する仕組みを構築することで、新潟県におけるスタートアップ・エコシステムを強化する取組です。

ProfilePressを使用したWebサイト制作やアップデートを含む保守管理に関しては、こちらのお問合せよりお気軽にご相談ください。

この記事を書いた存在
ちほうタイガー

taneCREATIVEに所属する謎のトラ。