ど田舎から始めるWeb制作会社戦記  ~このページは99%ファンタジーです~

第4話 英語翻訳者は何でも屋に変身した

彼女の本業は英語翻訳である。
しかしながら実際にはコーディングから経理までなんでもこなす引きこもりである。
こんばんは。皆に愛されるマスコットキャラクターのちほうタイガーです。

「本日の営業は終了しました。またのご来店をお待ちしております」

ちょっとマッテー。
在宅勤務メインで会社にあまりいないから、取材に来たんです。追い返さないで―。

「今映画見てるんで、できれば遠慮してもらえるとありがたいです」

そんなこと言わずに…第1話の彼から言われたんですよ…
『週1本ペースだと8ヶ月かかるじゃない…倍速希望』と…
しかたなく残業対応なんです、お願いします。

「仕方ないからいいですけど、できれば手短にお願いします」

了解でござる。
それでは早速…学歴とか職歴とかハイスペックに見えるんですけど、どうしてこんな会社で働いているんでしょうか?

「うーん、基本在宅リモートワークでいいという条件だったし、1日6時間勤務でいいという条件だったので。私には私のやりたいことがあったので」

今なら働き方改革とかDX推進とかでよく聞くスタイルですけど、当時としては希少だったからということでしょうか。

「佐渡島だとそういう会社はなかったと思う」

ところで、本業は英語翻訳ですよね。
しかし今は経理リーダー、その前はフロントエンドエンジニアだった気がするんですが…

「入社したときは英語翻訳がメインでした。今でも地方の観光協会サイトとか地方自治体サイトとかのメンテナンスで翻訳はしてます。あと海外との窓口対応とか。でも翻訳業務の割合は減っています」

確かに、純粋な翻訳業務は減りましたもんね。ほぼAIによる翻訳にシフトしてますし。
そもそも第1話の彼がかなり早い段階でそういう方針を会社として打ち出してますもんね…。
それで何でも屋的に使われていると…

「うーん、ほぼAIになっていることについては翻訳者としてはまだしばらくは人間の方が優っていると強く言いたいところですけど。『時代の流れ故仕方なし』って言われたらそれはそれで理解はできるので。でもエンジニアには向かないと思うので、事務作業メインの経理の方がまだ働きやすいかなとは思ってます」

管理部では今どんな仕事をしてるんですか?

「今一番比重が重いのは原価計算の仕組み構築ですね。人件費の内管理業務は一般管理費に仕分けるんですけど、制作業務はプロジェクト毎に売上原価に仕分けないといけないので。社内ERPの開発に向けて、エクセルで要件定義を作っているところです」

システム開発の設計業務も兼ねてるわけですね。

「仕事だからやっているだけなので」

ところで、リモートワークの短時間勤務というのは今なら結構他の会社でも実践していると思うんですけど、転職とか考えたりしないんですか?

「今は特に…それなりに人間関係もいい会社だと思うし…
 あとは、この会社の方針には同意しているので」

この会社の方針というと…

「働きたい時に働くだけで、人並み以上の収入をもらえたらいいなと。
 家に引きこもっていても生きていけるし」

………
この会社に普通の人間が居ないことはわかっていたことじゃないか…
引きこもり万歳なところは第1話の彼と完全一致していますね。


「第1話の彼さんと一緒にしないでもらいたい。
 私はちゃんと家の外にも出てます。
 週2日は出勤してますし」

そうですね。第1話の彼はこの前も3週間程家から1歩も出なかったらしいですからね。
コロナを理由にして兼務している他社の役員としての仕事についても出勤拒否してたらしいですよ。
よくあんなので社会人が勤まるなぁ…

「第1話の彼さんは冷酷系経営者なので、多分引きこもる方が効率的とか考えているのでは」

……その彼が似たような事をあなたにも言ってましたよ。

「ほうほう、最後にそれを教えてもらっても?」

……残念系引きこもり

「その呼称を許可します。あともう帰ってください」

H.Y

H.Y

属性
風属性
種族
残念系族
称号
残念系引きこもり
フレーバーテキスト
彼女はいわゆる残念系である。仕事は出来るが引きこもりである。
ライフワークバランスを重視する先進的な働き方として新聞に取材されたりもする。Every cloud has a silver lining.