ど田舎から始めるWeb制作会社戦記  ~このページは99%ファンタジーです~

第7話 フロントエンドエンジニアは夢を持たない

彼はフロントエンドエンジニアのリーダーである。
リーダーではあるが、新しい技術に対する貪欲な姿勢は特にない。寝て食べることが好きな、戦隊もので言えば黄色担当のキャラクターである。
こんにちは。概ね黄色、一部黒担当のちほうタイガーです。

「これ仕事ですか?そうでないならパスしたいんですけど…」

残念ながらお仕事です。
お仕事なので起きてください。

「回答はするんで、もうそのまま聞いちゃってください」

え…まぁ確かに寝転がっててもインタビューはできますけど…
いいのか…まぁいいか…
それでは、適当に聞いていきましょう。
確か専門学校はゲーム開発系でしたよね。どうしてこんなど田舎のWeb制作会社に入ってしまったのでしょうか。

「うーん、確かにゲーム開発系の専門学校に行きましたけど、特に強いモチベーションがあったわけではなくて、自分でもゲーム作れたらいいよね程度で進路を決めたんです。でも専門学校に入ってみたら一部の人のゲーム開発に対する熱意が全然違ってて…自分は違うなと…会社がど田舎にあるのは仕方がないんじゃないっすかね。生まれた場所がど田舎だっただけなんで」

それで故郷にあるWeb制作会社に入ってしまったと…
でもWeb系の技術にもそれほど興味があるわけではないですよね?

「そうですね、一応フロントエンドエンジニアということになってますけど、やりたいかやりたくないかで言えばやりたくないっす。というより仕事そのものをやりたくないっす」

いきなりトップギアでぶっちゃけてキター!
一応このコーナー、当社に入社を検討してくれるエンジニアに『ウチの会社いい会社かもしれないよ』とお伝えできるように頑張る的な感じのコーナーなのではないかと思うのですが…まぁいいのか…?

「いいんじゃないっすかね。別に第1話の彼も特に何も言わないでしょう。カッコを付けるの面倒くさいとか思ってそうだし」

そうだよねーまぁどうせ誰もこんなコンテンツ読んでないでしょうし…よしトップギアで突き進みましょうぞ。

「いや、トップギアとか疲れるのでいいっす」

………
仕事にモチベーションがないと言いつつ、やることはやってますよね。
新しい技術もマスターしていっていますし。

「仕事だからやってるだけなので…新しい技術も仕事だから勉強しているだけっす」

………
でも入社時の口癖が「無理っす」だったのに、最近は「どうですかね」に変わってますよね。
実は仕事に対するモチベーションが少しくらいは上がっているとかは…

「全くないっすね。表現が変わってるのは…出来ることが増えたからなんじゃないかなと」

………
例えば将来こうなりたいとか、そういう人生の希望をお聞きしても?

「どうですかね、多分特にないっす。ぶっちゃけ人生に期待していないんで」

………
いやいや、例えば結婚したいとか、そういうのが普通はあるのでは…

「結婚とかにも興味ないんで…」

………
この会社に普通の人間が居ないことはわかっていたことじゃないか…
もしかしてお金もいらない感じです?

「お金は…あったら働かなくていいんで不労所得は欲しいっす」

今流行りのFIRE希望ということですね。
…ちなみに、そこまで人生に夢がないとなると、休日とかはどう過ごしているのか気になるんですが…
確か地元の青年団で鬼太鼓のチームとかに所属していますよね。

「鬼太鼓も…行かなくていいならいかないっす。呼ばれたら行ってるだけで…休みの日は家にこもってますね、ネットしたりゲームしたり、あ…料理とかはします」

………家に引きこもって食べて寝ていたいわけですね。
この会社、本当にこういう人ばっかりだなぁ…
…最後に、どうしてこの会社で働き続けているのかをお聞きしても?

「どうですかね、不労所得がほしいからかもしれないっすね。
 第1話の彼が、スタッフが不労所得を得られるような会社を作ろうとしているのには賛成してます。
 将来株とか持たせてもらって、働かなくても月に数万円でも入ってくるようになったら、家に引きこもるっす」

確かに、第1話の彼が全体会議でそういう会社を目指すと言ってましたね…
ちなみに個人面談とかでその辺詳しく聞いてたりしますか?

「『不労所得、俺もほしい』とだけ言ってましたね」

不労所得ばんざーい。

タクミ.H

タクミ.H

属性
土属性
種族
寝そべり族
称号
引きこもりを目指す者
フレーバーテキスト
彼は潜在的引きこもりである。
仕事は出来るが将来の引きこもりである。
重視すべきライフがほぼない為、ライフワークバランス重視型ではない。青い鳥は自分の家に居ることを知っている。