ど田舎から始めるWeb制作会社戦記  ~このページは99%ファンタジーです~

第15話 フロントエンドエンジニアは夢を持っている

彼は第二開発部の二人目のリーダーである。
同じ部署、同じリーダー職であるが第8話の彼とは真逆に夢を持っている。
こんにちは、精霊は電気トラの夢を見るか?という記事を構想中のちほうタイガーです。

「見ての通りSEOの講演中なので、例の取材なら後にしてもらいたいんですけど…」

…休憩時間中に終わらせるのでど田舎から始めるWeb制作会社戦記の取材協力お願いします。講演のお手伝いもしますので…こう見えて役に立ちますよ、プロジェクター画面を指す係とか…

「…いえ、自分で出来るので大丈夫です…でしたら休憩時間中にお願いします」

ありがとうございます。それではさっさと片づけましょう。まずは定番の質問からですが、この会社に入ってしまった経緯とかを教えてもらってよいでしょうか。というより今現在も自分の会社も持っている経営者でもあるよね…。

「そうですね。美容室を2店舗運営している会社を経営していますね。つまり前職と言うより経営者をしながらこの会社にも勤務している形になります」

この会社変なキャリアの人が多いけど、また変わったキャリアですな…。どうしてそんな二足の草鞋生活に?

「もともとWebが好きで独学でWordPressで自分のお店のサイトなどを作っていたんですよ。そんな時に美容室の業界団体の群馬統括本部でWeb勉強会をすることになって、業界団体本部のWebコンサルタントであった第1話の彼に群馬まで講師としてきてもらったのがきっかけですね。その時に、自分で作ったwordpressサイトを見てもらったら『個人事業主と同じレベルかな』という評価をしてもらって、独学でプロにそう言ってもらえるところまで来れたならWeb制作を仕事に出来るかもしれないと思って、色々相談している内にこうなった感じですね」

…あの引きこもりが群馬まで出かけただと…
信じ難いが…そういう時期もあったような…?

「もう数年前になりますけど、その年は業界団体本部との契約で北は北海道から南は沖縄まで全13統括の要請に応えて飛び回ってたはずですよ。ああ見えて講演とか上手いし、業界でも意外に名が知られているから講演依頼は多いみたいですね。でも次の年からは基本的に地元の学校関係以外は引き受けなくなったと聞いてますけど」

…まぁお仕事に追われている現状、営業的な意味もほぼないだろうし、そもそもマスコミの取材依頼も出来るだけ断ろうとするような面倒くさがりだしねぇ…年10回以上の出張とかトラウマになったのかも…それで、Web制作を仕事にするためにこの会社に入ってしまったと…会社を経営しながらよく従業員になろうと決心しましたね。

「最初は自分の会社で業務を受託させてもらって、将来的にはのれん分け的なフランチャイジーを目指すような感じだったんですが、それだと社内リソースが枯渇した時にしか仕事が来ない上に、最先端の案件も任せてもらえなかったので、とにかくスキルアップしたくて従業員にさせてもらった感じですね」

…あぁ…この会社大きなクライアントの案件が多いせいか再委託には慎重ですからね…しかし従業員の仕事と経営者の仕事の両立は大変では?

「そうですね、はじめの頃は経営者の仕事と両立させるために短時間の契約社員だったんですよ…群馬オフィスと言っても名ばかりで自宅で作業してましたし…でもいつの間にか大きい案件が振られまくるようになって事実上のフルタイムになってしまって…対応出来るよう美容室の経営の方をほぼ現場に任せる形に整理して…」

…当社あるあるですな…。

「だったら正社員にという感じで正社員にしてもらったら更に仕事を振られて…残業上等な感じになって…」

…当社あるあるですな…。

「群馬オフィスも正式に稼働し始めて、リーダーにさせられて新人教育も担当させられて…」

…当社あるあるですな…。

「でも今はフランチャイジーとかではなくて、この会社の従業員として上を目指していきたいと思ってますよ」

…今の話の流れでどうしてそういう結論に!?

「この業界に入ってまだ数年ですけど、Web制作会社は完全に二極化してるじゃないですか。地方に本社があるWeb制作会社で東京を主戦場にして戦えている会社はほとんど無いし、上へ上へと伸びてる制作会社もほぼないし、ここまで差がついていると新しくWeb制作事業を立ち上げても勝ち抜くのは難しいかなと」

…まぁ第1話の予言でもそうなってますな…『ギリギリ生き残りに間に合いそう』みたいなこと言ってたし…

「今40人位の会社ですけど、フロントエンドだけでなくバックエンド、サーバーサイドまで幅広いエンジニアがどんどん集結してきてますし、僕も更に勉強してスキルアップしてこの業界で生き残りたいですね。この会社ならそれが出来ると信じているのもあるかもしれません」

…確かにこの会社の方針は、「世界を驚かせるようなプロダクトを作ろう」系のカッコイイ発想ではなくて、「ど田舎でも生き残れる場を作ろう」みたいな地味で着実な感じだよね。

「まぁユニークな会社なのは間違いないでしょうね。美容室の経営者がフロントエンドのリーダーをやらせてもらえるような会社ですし。自由と言うか働きやすい会社なのかなとは思います。基本的なルールだけしっかり出来てて、あとは細かい決まり事とか少ないし」

…いやそれは褒めすぎでは…きっと第1話の彼が「細かいルールとか作るの面倒くさい」とか考えているからだとオモウヨ…

「それに群馬オフィスにも今年新人が配属されたのですけど、すごく能力が高くて成長が早い。頑張らないと抜かれるのでいい意味でやる気は出ています」

…全国から優秀な若者が続々と佐渡島の会社に集結してくるとか…摩訶不思議ダ…ところでこの会社の良いところばかり書いても面白くないので…もっとこう会社への不満とか要望とかネタになりそうな話はないですか?

「群馬オフィスは2名しかいないのでスカスカなんですよね。寒いので足元の電気ストーブ2台ほしいです。あっモニターの追加も欲しいですね」

…えっ…そんなささやかなこと…?
部長経由で管理部にオーダーしてくだされ…普通にOK出るとオモウヨ…

「あとは佐渡本社との地域格差の解消をお願いしたいです。群馬にももっと光を!」

…おぉ…それそれ、求めてたネタはそういうやつ!
オラ、ワクワクしたきたぞ!…例えばどんな地域格差が?かくなる上は革命ですか!?

「佐渡オフィスには定期的に整体院のサーヴィカルテを出張で呼んでるじゃないですか…ああいうのが凄く羨ましい!
群馬オフィス2名も肩こりに悩んでいるんで、サーヴィカルテの派遣を要求したい!」

…マッサージのことかー!!!
……部長経由で管理部にオーダーしてくだされ……
……そろそろ休憩時間終わるので最後の質問を…将来の目標とかを教えてもらえないでしょうか。

「将来の目標は…時間の余裕を作りながらがっつり稼ぎたいですね。
年に1回海外に行って心のリフレッシュを出来るような生活をするのが夢です」

…こんなに前向きなセリフなのに…ササヤカに感じるのはナンデダロウ…

カズタカ.A

カズタカ.A

属性
土属性
種族
夢追族
称号
ささやかなる者
フレーバーテキスト
彼は夢を追いかける者である。
大切なのは、夢の大小ではなく、またそれが実現できたかどうかでもなく、その夢に向かってどれだけ心をかけることができたか、心の大小が大切だ(植村直己)。